第二十五話 みんなと買い物
どうしてこうなった。そう言いたい。……だってさぁ、進化って割と自分で選べるんじゃないの!? ブラキスは『アサシンマッドドラゴン亜種』になろうとしていたのに、まさかの人化できる『アサシンナイトドラゴン亜種』になっちゃったしさぁ。けど、直訳で暗殺騎士の龍ってかっこいいよね。心なしか、キリッとしている気がする。いや、違うな。ただ、自分のなりたい進化先になれなくて黄昏れてるだけだった。
……はっ! みんなが人化……亜人化? したってことは、みんなと一緒に買い物できるんじゃね? 亜人姿なら、街を歩いても通報されなさそうだし!
……実は私、一回通報されたのだ。十歳くらいの女の子が魔物に襲われてるって。マジでビビったよ。いきなり警察? 警備団? が来て、ブラキスとエメラルドのことをぶち殺そうとしてくるんだもん。やっぱり、もうちょっと歳取ってから冒険に出たほうが良かったかな。
だが、みんなが人化した今、やりたいことがあるんだよな。それは……もふもふ亜人たち喫茶店! 調理方法が全然すごくないこの世界なら、プリントかティラミスとかバウムクーヘンとかカトルトール……はあるか。おんなじ分量混ぜるだけだしな。まあ、珍しい料理として有名になるだろう。
そしたら、固定収入が入ってくるから金欠の心配がなくなるな。素材を売ったりするのもいいけれど、素材は、武器や防具を作るために残しておきたいんだよな。
まあ、その前に買い物だ。ショッピングだ。楽しみだ。修学旅行の前くらいには楽しみだ。
「よし、明日はみんなで買い物に行こう!」
「……? 防具を買いに行くのですか? それなら、もう、事足りていると思うのですが……」
アルカ、違う、違うんだよ。私は、みんなに可愛い服を着させたいんだよ。前世の某狩りゲーでは、重ね着装備をガチりすぎて、かなりの人数の野良ハンターに「アニメコラボなんて来てましたっけ?」とまで言われたからな。自分の美的センスには若干自身があるのだ。
まあ、美的センスというよりはコスプレ? に近いかな。まあいい、リアルケモミミが近くにいるのに、着飾らないとはヲタク魂に反する!
なので、みんなを着飾りたいんです。頼む、頼むよ。みんなを着飾らないと、ヲタク魂が爆散して死んでしまうのです。まあ、嘘だけどね。
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よし、ついた! アルカの女友達1と2のおすすめショップ! ぐふふふ、いいぞ、いい! オーダーメイドもできるそうだから、来る前に、【ステルススパイダー】という、見えない上に広範囲に猛毒の霧を発射してくるAランクモンスターを狩って来たからな。超高品質の糸は大量にあるのだ。◯イトボウガン周回……よりは遅かったが、一体3分くらいのペースで狩ったんだ。
「すいませ~ん、オーダメイドしてもらいたいんですけどー」
「はーい、了解です。どういう物がいいですか?」
「えーっと、ステルススパイダーの糸が130束位あるので、一つ目は、白をベースにして、ちょっと黄色のアクセントを入れた、『和服』……じゃなくて【アバラン】地方の服っぽいものをお願いします」
「……あのねお嬢ちゃんたち、大人をからかうのはやめたほうがいいわよ」
「からかってないよ? ほら、ぼくたち、ちゃんといっぱいたおしてきたもん」
ブラキス、言っていることはいいんだが、糸を私の四次元ポケットから勝手に出すのやめようか」
「ああ、そうか。子供っぽい見た目をした魔族もいるって話だったわね。わかりました。他のオーダは?」
うん、かなり間違えられているようだがまあいい。いちいちココで問題になっても面倒だしな。
「2つ目は、これも白をベースにして、……あ、今流行のあれっぽいやつをお願いします。3つ目は、うーん、この子に似合う服で、4つ目もこの子に似合う服でお願いします」
うん、めんどい! もう、そこはプロに丸投げでいいや。ヒジョーに面倒くさい。
「了解だわ。じゃあ、2週間後あたりに取りに来てもらっていいかしら?」
「はい、お願いします」
……この後、適当に注文したブラキスとエメラルドにめっちゃ怒られたのは割愛しよう。仕方ない。イメージが沸かなかった。
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