第十三話 誘拐(笑)
「フンフンフーン」
モルトを仲間にしてから一日後、私は散歩をしていた。
「なあモルト、これって本当に必要か?」
「ふむ!(うん!)」
うーん、うさんぽ(うさぎ散歩)ってなんかだめって書いてあった気がするんだけどなあ。異世界のうさぎは大丈夫なのか?
「けど、そろそろ帰るぞ。宿取らないといけないし」
「ふみゅー。(はーい。)」
ん?……つけられているな。誰だ?誘拐犯とかか?
(モルト、よく聞け。私達は今つけられている。)
(うん! そうだね。ぶっ殺しとく?)
とっさにその思考が出てくる当たり相当やばいな。
(ひどい!)
えっ? ……ああ、そうか。自分が念話していないつもりでも相手からは聞こえているんだな。
(面白そうだからこのまま捕まってみよう。あっ、【召喚】)
(はあ、全くあんたはなんで誘拐されるのが面白いと思っているのよ)
マリンよ、そんなに呆れなくてもいいじゃん。
(え、だってか弱い子供かと思っていたのに自分達のこと殺しにかかってきたときのリアクションって面白いじゃん)
お、そろそろ捕まるかな? よし! ここは私の演技力で!
「ん?きゃああ、助けてー(棒)」
「こちらB班。売り飛ばせそうな子供を捕獲。連れていきますか?」
『ああ、そうしろ』
おおー!なんか怖そうな声の人がいる!超楽しみ!やっぱり強面をビビらせるのって楽しいよな!どうやって殺そうかな。こういう感じで。いや――
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何分くらい立ったかな?そろそろ眠たくなってきたなあ。
ゴン!
いっでぇ!なんてことするんだ!犯罪者か!……犯罪者だった。
「ほう、なかなかの上玉じゃねえか。こいつは売るにはもったいねえ。俺の所で飼ってやろうじゃねえか」
お、コイツがクズの親玉か。なかなかのクズっぷりだ。ただ、なんかチンピラっぽい。
「おい、お前。名は何という」
うーんどう返せば面白くなるのか……うし、これで行こう
「名前を聞くときは自分からって習わなかったかい? お馬鹿さん」
おおー。シンプルだけど、かなり切れたんじゃないか? 青筋立ってる。
「ほう、お前、立場ってもんを教えてやらなきゃいけないようだな」
きた! お決まりのテンプレ展開!
「おいお前ら! やれ!」
うーん、雑魚狐より弱くないか?ちょっと鑑定し――
「ふみゅみゅみゅ(【神の裁き】)」
えっ? モルトさん? いつの間にそんな格好良いスキルゲットしていたの? 羨ましい!
「なっ、何をした!」
あー、コイツ絶対雑魚だ。最悪の事態を想定せずに自分は狩りをしていると思い込んでる。
「は? うるさい虫を殺しただけだが?」
「ほう、少しは本気を出さないといけないようだな。お前、元Aランク冒険者、ファンガ様を前に、逃げられると思うなよ!」
あっ、コイツって元冒険者だったんだ。っていうかAランク!? もしかしてコイツめちゃくちゃ強いんじゃ……まずい。
「【鑑定】」
ファンガ 人間 Lv72 天職 槍騎兵
HP 219 MP82
腕力 138 防御力145
俊敏 52 知力49
スキル
脳天割りLv9
称号
落ちぶれ者
……雑魚じゃねえか!ってこの感じどっかであった気が……
読んでいただき、ありがとうございます。
リアル事情で、少し連載を停止させていただきます。
9月くらいから再開します。




