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祝杯を君へ

カフェインを勧む

作者: 民間人。

嗚呼耐え難きかな、早朝の

アラームの声高らかな、我が友、スマートフォンや


昨夜の機嫌を取り戻してくれ、どうか私の調子が壊れる前に


探り当てども寝覚めは悪く、君の機嫌もまた悪く

パンをねじ込み君を見つめて、今日の天気をチェックする


湯沸かし器の騒々しい音も、2度目のバイブには勝らない

画面ごと暗転してはプルルと鳴いて、私を阻む


パンのかけらを無理矢理水で流し込み、乱暴に歯を磨いたら


身支度整え鏡台と睨めっこをして、半分閉ざした瞳を押し上げ


重い瞼を押し上げながら、インスタントの袋を開く


やがて湯沸かし器が鳴くと、カップに豆をたんまり入れて


お湯を注いでスプーンで混ぜ、2、3度カップで水を切る


深い渋色に淀み行く、真水の立つ湯気にもうもうと


黒く焦げたるおこわのような、香りがふわりと花開く


鼻腔くすぐる芳香を ただ楽しみ、吐息を漏らす


影のような黒を吸い込めば、深いコクと苦みが舌を転がる


喉元を過ぎども忘れられない この罪深い奥深さよ


さあこの盃を君に注ぎたい 遠慮などせず、味わってくれ


尿路に石が詰まれども また朝は来る、アラームは鳴く

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