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彼女が女装させそうとしてくる話

作者: ささみ

趣味全開で書きました。

後悔はありません。

ある日の朝。

僕、朝比奈あさひな 千秋ちあきは幼なじみで家が隣で交際している彼女を起こそうとしていた。


「起きて〜」

「う〜……むにゃむにゃ……」

「早く起きないと学校に遅刻しちゃうよ〜」


彼女、希月きずき れいはかなり朝が弱いので僕が毎朝隣の家に合鍵を使って入り起こしに来ている。


「うにゃぁ……女装……」

「えぇ……またぁ?」

「してくれたら起きるんだけどなぁ…………むにゃむにゃ」


絶対起きてるじゃんかぁ〜〜


「うぅ……、ちょっとだけだよ?」

「よし!着替えは隣の部屋にあるから」

「……さては昨日から準備してたな……」

「むにゃむにゃ」


なんか……殴りたい……、まぁ僕の筋力じゃ全く痛くないだろうけど……

……彼女より筋力が無いってどうなんだ?


そんな事を考えながら僕は隣の部屋へ向かった。


「……はぁ……」


隣の部屋、別名女装部屋に入った僕はついため息をついてしまった。

だって女装用の服がずらっと100着はあるんだよ?

しかも、彼女は自分用の服には興味ないんだよ?

なんで自分の服は適当なのに僕が着る物にはこんなに頑張ってるんだよ!って思わない?


「……多分これを着ればいいんだよね?」


部屋の中の机の上にはあからさまにクラシック?のメイド服があった。


「……着なくないなぁ……」


そう言いながら僕は服を脱ぎ胸に巻いてあるサラシを取った。


「……Bカップかぁ……」


僕は彼女のせいで使わされている女性ホルモンクリームの影響で、胸があるせいでさらしを巻かないといけない体になってしまったのだ。


「メイド服って着づらいんだよなぁ……」


ワンピースタイプでもいいのにガチのやつ買ってくるんだもんなぁ……


「これでよしっ……と」


よし……彼女の部屋に戻るか。


「着たよ?」

「ふぉぉぉ」

「うわっ」


いきなり抱きついてきた!


「この膝下丈のスカート!いい!実にいい!」

「うわぁ……」

「そして何よりこの慎まやかな胸!これがいい!」

「うわぁ……」

「ぐへ、ぐヘへ……」


なんだろういつもはかっこいい彼女がキモくなってる気がする……

って、よだれ!よだれが服につく!


「はっ、離れっ……」

「ぐへへ、離れないよ〜、この尊さを前に離れてたまるか……」

「うぅ……」


き……きたない……、服は大切にしないと駄目なのに……


「あ〜もう!とにかく離れろ!」

「うへへへへ」

「あっ、ちょっ、まっ…」


ドサッ


「ぶへ、ぶへへ」

「お……重い……」


彼女の圧が強すぎて倒れ込んでしまった。

もちろん抱きついている彼女と一緒に……


「ね、ねぇ、舐めていい?ぺろぺろしていい?」

「やめ、やめろぉぉぉ」


そして数分後……


「うぅ……、ぐすん……」


僕はあのあと舐められたり、撫でられたり、色々されてしまい泣いていた。


「ご……ごめんって……」

「うぅぅぅ……」


な……なんでこんなことになったんだっけ?

確かあれは半年ぐらい前……


*  *  *


僕はあの日、いつものように学校へ彼女と一緒に行くために彼女の家で彼女を起こそうとしていた。


あれ?もう起きてる。


「あっ、おはよう、玲」

「うん、おはよう千秋」


こんなに早く起きているのは珍しかったので、なんで起きたかを僕は聞いた。


「こんなに早く起きてるなんて珍しいね、どうしたの?」

「いや、実はね」

「うん」

「私と付き合ってくれない?って言おうと思って」

「へぇ〜……え?」


ん?は?え?


「だ……だだ……誰と?」

「ん?勿論千秋とだけど?」

「うぇぇ、た、確か男に興味ないんじゃなかったっけ?」


確かになんか男性はやだって言っていたはずだ。


「いやさ、確かに男性に興味はないけど千秋ならいいかなって」

「どどっ、どうして?」

「いや、千秋ってちゃんと手入れしたらめっちゃかわいい気がするなぁ、と思って、というかテンパり過ぎじゃない?」

「そりゃテンパるでしょうがぁ!」


まぁ、いくらなんでもテンパリすぎだなとその後思って冷静になったのだが……


「ということでお手入れしようか」

「どうゆうことで?」


いきなり入ったので、全く意味がわかっていなかった。


「さっき手入れしたらめっちゃかわいい気がするっていったじゃない」

「……は?」


全く意味がわからなかった。

僕が可愛い?男だよ?


「だって私より身長低いし」

「うっ……」

「声も結構高いし」

「うぐっ……」

「顔も結構中性的じゃん?」

「うぅ……仕方ないじゃん、成長しないんだから……」


この時、僕の精神にはかなりのダメージが入っていた。


「さて、じゃあ早速お手入れしようか」

「まっ……まだ納得してないよ!」

「はぁ……、頑固だなぁ……」


え?僕が悪いの?


「しょうがない、じゃあ可愛くなれるっていう証拠を見せてくれげよう、こっちに来て」

「……そういう問題じゃないんだけど」

「ほら、行くよ」

「ちょっ、引きずらないで」


そう言いつつ、結局引きずられながら着いたところは化粧台の前だった。


「は?」

「今回は可愛く見せるために手っ取り早くお化粧しようか」

「は?」


その後の会話は一切意味がわからなかった。


「まずは眉毛を剃って……」

「え?」

「ファンデ……必要ないな、羨ましい……」

「は?」

「チーク……も必要ないな」

「ん?」

「ライナーをできるだけ少なめに……」

「どゆこと?」

「つけま……いらないぐらい長いしきれいだな」

「ん???」

「ピューラーを2、3回に分けて使って……」

「え?話を……」

「アイホールにシャドーを軽く……」

「き、聞いて……」

「あとはウィッグを着けたら……」

「無視か……」

「完成!」


この時間わずか10分である。

因みに化粧に集中してて話は全く聞いてなかったらしい。


「ほら、鏡」

「え?」


そう言われ見た鏡には美少女が映っていた。

ちなみに後ろにはいかにもグヘヘ……とか言ってそうな顔をした彼女がいた。


「……え?」

「どう?すごいでしょ?」


すごいどころじゃないよね?


「こ……これが……僕?」

「そうだよ?千秋ちゃん」

「ほぇ……」


僕の美少女顔を見て放心していたため、ちゃん呼びには反応できていなかった。


「じゃあ自分がかわいいってわかっただろうから化粧を落とすね?」

「え……」

「ふふふ、今ちょっと残念に思ったでしょ」

「うぇっ、そんなこと無いし」

「うふふ~、まぁそういうことにしてあげる」


……まぁ正直に言うと、ちょっといいなとは思っていた。


「じゃあメイク落としで落として……まぁ剃った眉毛とかはそのままだけど……」

「……まぁ……だよね」


わかってたけどなんかなぁ……


「よし、落としたことだしスキンケアをしようか」

「え?ちょっと?」

「まずは洗顔を……」

「あっ無視されるやつだ」


その後の僕はもう抵抗をやめていた。


「洗顔クリームを塗り拡げて……」

「流したらタオルで優しく……」

「化粧水で肌に潤いを……」

「美容液で美白効果……」

「乳液で保湿……」

「そして日焼け止めを塗って……」


あ、終わりかな?


「よし、じゃあちょっとベッドに倒れててね〜」

「うわっ」


いきなりベッドに押し倒されてしまった。


「えっ、ちょ、なに!?」

「静かにしててね〜」


そう言いながら僕の着ている服の中に手を入れていった。


「ちょっ、どこ触って、くすぐったい!」

「………よし、これぐらいにしてっと」


お、終わった、結構早く終わってよかった。

……それにしてもなにかクリームみたいなものを塗られた気がしたけど、何を塗ったんだ?


「ね、ねえ?今何を塗ったの?」

「ふふふ……」

「え?なに?なんなの?」

「さぁさぁ、早く学校に行かないと遅刻しちゃうよ〜」

「え、うわっ、もうこんな時間!」


時計は7時半を示していた。

問い詰めたいけどしょうがない、早く学校に行こう。


*  *  *


と、まぁこんなことが起きていた。


その後はだんだん胸が大きくなっている気がすることを話して僕に塗っていたクリームが女性ホルモンクリームだったことを知ったり、胸が大きくなった記念にブラジャーを買わされたりしたが、それはまた別の話だろう。


「えっと……、あっ、もうこんな時間!私学校行くから!」


あっ、逃げた!

……まぁ……いっか……


別にかわいいって言われて悪い気はしなかっ……って、だめ!こんなこと考えちゃだめ!

僕は男の子なんだから!

男の娘なんかじゃないんだから!

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