1.酒場で出会った女剣士。
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冒険者ギルドの隣には酒場が併設されている。
そこは冒険者同士の情報共有の場にもなっているらしく、日が落ちかけた時刻であるにもかかわらず多くの人でごった返していた。そう考えて見ると、本当に意見交換をしているのか疑問になるほどの赤ら顔ばかり。
きっと会話にもならないだろう。
そう思い俺は一人、酒場の端で果実飲料を飲んでいた。
「あ、あの!」
「ん……?」
ひとまず料理を注文し、それを待っていた時だ。
緊張したようにして声をかけてくる人物があったのは。見ればそこにいたのは、先ほどの屋内闘技場にいた『少年』――リンだった。
彼は俺の傍にやってくると、深々と頭を下げる。
「さっきは、本当にありがとうございました!」
「あぁ、別に。成り行きだから、頭下げなくていいって」
どうやらダンとの一戦について感謝したい様子だった。
でも俺は別に、リンのために戦ったわけではない。強い冒険者と戦う機会が欲しかった、それだけなのだから。しかし――。
「それでも、妹が無事に戻ってきたのは貴方のお陰です!」
「はぁ、妹ねぇ……?」
頑として譲らない、といった様子だった。
そして俺の隣の席に腰かけると、同じように果実飲料を注文。こちらの顔を覗き込んできて、どこか不思議そうな表情を浮かべた。
「でも冒険者ギルドで、貴方みたいな人は見たことないです。えっと――あ、お名前教えていただいてもよろしいですか?」
「リッドだ。王都に戻ったのは、三年振りだからな」
そして、先ほど冒険者登録したばかり。
俺がそう伝えるとリンは、なるほど、と何度か頷いた。
「ということは、今までは旅に出ていたのですね」
「いや。旅というか、ずっとダンジョンの――」
――最奥で暇潰ししてただけ。
そう答えようと思った、その時だ。
「もし、そこのお兄さん?」
「ん……今度はなんだよ」
また、別の人物に声をかけられたのは。
俺が面倒くさい気持ちを隠さずに振り返ると、そこにいたのは――。
「やあ、キミがリッドくんだね。アタシの名前は、アミナ・リーガー」
「リーガー……?」
一人の、女剣士だった。
腰まである青の髪に金の瞳。整った顔立ちには、強気な性格が出ているようにも感じられた。細身に高価な装備をまとった彼女――アミナは、こう言う。
ニヤリと、挑戦的な笑みを浮かべて。
「アタシは、この王都で一番の剣士だよ」――と。
アミナ・リーガー。
突如現れた王都最強の女剣士は、鋭い眼差しを向けるのだった。
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