3.剣聖。
雪かきで腰が痛い、北陸県民です。
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「え、それで追い返しちゃったんですか?」
「当たり前だろ。今さら伯爵家に戻るなんて、意味ないし」
ギルドの談話室で。
俺はリンとアミナの二人と話していた。
いつの間にやら一緒に行動するようになった二人は、互いに目を合わせてキョトンとしている。そしてアミナが、どこか遠慮がちにこう言うのだった。
「それでも、冒険者をするより安定しているんじゃないのかい?」
冒険者稼業は、まさしく死と隣り合わせだ。
報酬で得られる金銭に至っても、貴族をやるより格段に少ない。普通の考え方をするなら、安全で高収入の貴族の地位にいるのが最善だった。
しかし、俺は知っている。
貴族という生き方が、いかに窮屈で退屈なものなのかを。
だから、俺は二人に笑ってこう言った。
「俺は冒険者が気に入ってるんだ。こんなに、強い奴と戦える環境、なかなかないからな!」――と。
きっとそれは、他人からすれば酔狂極まりない発言だった。
命よりも退屈でない生き方を選ぶ。
だが、俺はそれで良いと思ったのだ。
◆
その頃の伯爵家。
使用人たちが持ち帰った伝言を聞き、アランは表情を歪めていた。
まさか、自身の座する地位をけなされるとは思ってもいなかったからだ。呼び戻せば、犬のように尻尾を振りながら帰ってくる。
そう考えていただけに、伯爵の屈辱は相当なものだった。
「しかし、奴がいなければ我々は倒れてしまう……」
三年前のように、捨て去る選択肢も思い浮かぶ。
だがそれ以前の問題であると思い直し、アランは深呼吸一つ頭を抱えた。
「お困りのようですな?」
「あぁ、貴方か……」
そこに一人、初老の男性が現れる。
白髪の長い髪を後ろで一つにまとめた彼は、傷のある顔に笑みを浮かべていた。恭しく頭を下げたその人物は、伯爵に歩み寄りながら語る。
「私でよろしければ、坊ちゃまを連れ戻しましょうか?」
「…………ふむ」
その意見に、アランはしばし考えた。
そして、彼ならあるいは、と。そう結論に至るのだった。
「ならば、お願いしてもよろしいかな? ――剣聖よ」
伯爵がそう呼ぶ。
すると、男性は柔らかな笑みを浮かべて答えるのだった。
「お任せください。私にかかれば、坊ちゃまなど赤子同然です」――と。
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