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31.気になる人の友達から誘いを受けたけど

お久しぶりです。

長期出張+体調不良で全く書けませんでした……。

すみませんでした……。

週明けの月曜日、その休み時間。俺は隣のクラスから水瀬の友人である三井さんが来ていることに気づいた。あんまり意識していなかったが、三井さんはそこそこの頻度でこっちのクラスに遊びにきているようだった。それだけ仲が良いのだろう。

ただ、いつもと異なり、今日は三井さんが教室から出ていく前に俺の席のところにふらりとやってきて、脈絡もなくこう告げた。


「高瀬くん。今日の放課後にちょっとこの教室に残ってて。大事な用事があるから」

「はい?」


俺がちゃんとした返答をする前に三井さんは「ではではー」と言いながら手を振って出ていってしまった。相変わらず色々唐突な人だ。

ステータスを開く前に出て行ってしまったので、意図がよく分からない。

仕方ない、ちゃんと放課後に待っていてあげるか。


——————————————————


放課後、他の生徒がいなくなってから少しした頃に三井さんが教室に入ってきた。


「いやー、急に呼び出してすまなかったねぇー」

「うん、せめて用件ぐらいは言ってよ」

「ははは、こりゃ失敬。でも、高瀬くんにとっては大事な用なんだよ!」


俺にとって……? なんだろう、恐らく水瀬絡みだとは思うが。


『ポッ』

=================

三井 亜里沙

現在の心境:さぁ! 詩織とのラブラブチュッチュッ大作戦の始まりですよー!

=================


え、なにその作戦。とりあえずネーミングがクソダサい。


「大事な用、とは?」

「そんなインターネット検索みたいに聞かないでよー」

「いや、そんなつもりはなかったが」

「ふふん、聞いて驚くが良い。高瀬くん、朗報ですよ! なんと詩織とのラブラブチュッチュッ大作戦を企画してあげました!」

「……はぁ」


うん、そのクソダサい作戦名は知っている。


「あれれー? リアクションが薄いぞー? もっとこう、『水瀬とラブラブチュッチュッできるってマジ!? ヒーハー!』ぐらい言って良いんだよ?」

「そんな奴いたらドン引きだよ」

「うん。高瀬くんがそんなこと言ったら、多分私も引く」

「おい」

「まぁ、それはさておき、作戦は極めて単純明快。詩織と一緒に遊園地に行って、高瀬くんが頑張って、ゴールインするのだよ!」

「単純ていうか雑すぎるよ!? 俺がどう頑張れば良いのかの部分が不透明すぎる!」


そんなサラッと頑張ってどうにかなったら苦労しないよ!

具体的な作戦はあるんでしょうね!?


「まぁ、多分詩織は高瀬くんのことを気に入っているし、若い男女が遊園地に行きゃなんとかなるっしょ?」

「具体的な作戦ゼロ!? あと、その考え方は年寄りくさいよ!?」

「あ、えーとね。とりあえず遊園地には一緒に行けるよ」

「え、そうなの?」


おっと、完全に無計画では無かったようだ。


「うーんとね、この間親戚のおじさんからこの近くの遊園地の招待券をもらったのよ。男女ペア2枚」

「はぁ」

「『これで気になる男の子と遊んできなよ。年頃だし、彼氏くらいいるだろ! 2枚あるから他の友達を誘っても良いしな! ガハハ!』とか言われながら渡された」

「お、おう」


「まったく、彼氏なんていねーよ! 妄想の彼氏と二次元の彼氏で十分だっつーの! あーあ、だからあのおじさんはよォ!」

「急に怒らないで! あと、それを僕が聞いてもどうしようもない!」


三井さんが珍しくドスの効いた怒りの声をあげた。

そのおじさん、きっとよく三井さんをからかうんだろうなぁ……。


「あー、失礼失礼。で、この券を破り捨ててやろうかと思ったんだけど、ふと思ったわけよ。

これで高瀬くんと詩織をデートさせたら面白くな……二人の仲が進展するんじゃないか、って!」

「今、面白くなりそうって言いかけたよね」

「それは置いておいて、どうかな? この作戦、乗ってみない? 実際のところ、この間うちのバイト先でからかいすぎたからそのお詫びも兼ねて、ちゃんと高瀬くんのことを応援しようかと思っているわけさ」


ふむ、確かに水瀬と近づけるチャンスがあるのなら嬉しいことには違いない。

まぁ、三井さんのサポートっていうのがちょっと頼りにならなそうな感じはするけれど。


「まぁ、水瀬と遊園地に行けるのなら、それは嬉しいけど」

「お? お? 乗り気になった? なったねー! こりゃ、お姉さんも本気出しちゃうぞー」

「うん、だから自分のことをお姉さんっていうのやめようね」

「詩織には、『男女ペア券だから適当な知り合いの男の子を誘って一緒に入場するけど、その後は男女別で行動すれば良いかなーと思っている』と伝えてあるけど、当日には私は体調が悪いことにして、高瀬くんと詩織の二人っきりさせてあげるつもりー」

「え、俺と水瀬だけってなったら水瀬は帰っちゃわないかなぁ……」

「うーん、多分大丈夫だと思うよ。だって、すでに放課後に一緒に過ごしてた仲じゃん」

「え、あぁ、まぁ確かにそうだけど……」


うーん、三井さんが言うように水瀬なら一緒にいてくれる気もしなくはないが、やっぱり不安だなぁ。


「ところで三井さんは、当日にどうしているつもり?」

「うん? もう一枚の券で一人で入場して二人のことを陰ながら見守るけど」

「あ、そこはついてくるんだ」


陰ながら見守るとかいう表現を聞くと、某変態百合ストーカーが脳裏をよぎる。


「当たり前でしょう! 二人がどういう風に距離を縮めるかちゃんと観察して小説の参考資料にしてやるんだから!」

「本人の前で、小説のネタにします宣言はどうかと思うけど」

「まぁ、正直男女ペア券で一人だけ入るのは恥ずかしいから、誰か都合の良い人がいると良いんだけどね……」


あ、流石の三井さんでもその辺の恥ずかしさはあるんだ。


「それはそうと高瀬くん。ちゃんと詩織に告白することは考えているかい?」

「え?」

「今回のデートで一気に距離を縮めて、二人で観覧車から綺麗な夜景を見ながら告白! とかそういうことしようよ、折角だから!」

「いや、そんな急に言われても告白とか何も考えてなかったよ!」

「ダメだなぁー、デートをしていたらいつ良い雰囲気になるか分からないんだよ? いつでも告白できるように覚悟を決めておかなきゃ!」

「えぇ……」


告白とか全く考えたことなかった。

でも、いつかなにかしらしないと、どんどん水瀬がドSになっていくのをただ見ているだけになりそうなんだよなぁ……。


「よし、お姉さんに任せとき! 高瀬くんの告白練習に付き合ってあげる! ほれ、私を詩織だと思って告白してみなよ。指導してあげるから!」

「え、何それ!?」

「ほれほれ、カモンカモン」

「いや、急にそんなこと言われても!」

「はっ、もしかして私が詩織みたいな儚げな美少女じゃないからやる気が出ない……?」

「そんなことは言ってないけど」

「よし、じゃあ、とりあえず私が儚げな美少女になりきるから、それで我慢して」

「え、なにそれ?」


とりあえず勝手に進めないでほしい。


「降りてこい! 私の中の儚げな美少女! かぁー!」

「その掛け声だと絶対に儚げな美少女にはなりきれないと思うけど!?」

「かぁー、ペッ!!」

「それおっさんが道端とかでやっている汚いやつじゃん!」

「おっと、うっかり私の中のおっさんが目覚めてしまったようっす」

「ダメじゃん!」

「もう一回やるっす。かぁー!」

「だからせめて掛け声を変えないとできないって」

「諦めんなよ! 大丈夫、できるできる必ず目標を達成できる! だから、もっとお米食べろ!」

「儚いのと真逆な人になっちゃってますけど!?」

「恋はなぁ、リターンエースじゃダメなんだ! 最初から全力で恋のサービスエースを決めてみろ!」

「テニスの人から離れて! そんなにテニス好きだったの!?」

「マ●オテニスをしたことがあるぐらいっす」

「思った以上にテニスへの造詣が浅かった!」

「あれれー、おかしいなぁー? 儚げな美少女って難しいっすね……」

「いや、絶対ふざけているでしょ?」

「半分は本気っすよ?」

「残り半分はふざけてますよね!?」

「あ、そうか。細かいシチュエーションの設定が足りないのかも!」


三井さんは「なるほど!」という感じで手を叩いた。


「シチュエーション?」

「例えばさっき言ったみたいな観覧車の中とかそういうのっすよ! よっし、じゃあ改めて……『コント・夜の観覧車での告白』、スタート!」

「待って! コントって言いましたよね、今!? もう全力でふざけてるじゃん!」

「……気がつけば辺りは暗くなり、綺麗な星空が見え始めていた。園内の施設も美しいライトアップがなされ、昼間とはまた違った趣を見せていた。二人が向かおうとしている観覧車も光り輝いており、さながら巨大な光の輪であった。」

「待って!? 急に誰目線で語り始めているわけ!?」

「え? ナレーションだけど……」

「いらないよ、そういうの! もっと大事な役柄があるでしょ!?」


コント云々は置いておいて、普通に水瀬役をやってよ!


「なるほど、一理あるね」

「他に選択肢はないと思うけど……」

「では、改めて『コント・夜の観覧車での告白』」

「コントは変えないのか……」

「はい、では次の方ー。危ないのでそこの線で一旦止まってください。係員の誘導に従って、個室内にお入りください」

「なんで係員やっているの!?」

「え? いや、アトラクションにはちゃんと係員がいるもんでしょ?」

「そりゃいるけど、告白の場には必要ないでしょ!? 観覧車の個室内に入って、良い感じの高さまで上がったあたりで始めようよ! そして、ちゃんと水瀬役をやってよ!」

「なるほど、その発想があったか」

「なんでむしろ係員をやろうと思ったの!?」


三井さんとの会話は他の人とは違った意味で疲れる……。


「では、今度こそ『コント・夜の観覧車での告白』」

「もうコントで良いよ……」

「あー、見て見て! 観覧車からの夜景がすごく綺麗だよ!」

「……お、おう。思いの外、真面目に演じられて逆にビックリするわ」

「いつも住んでいる街がこんなに綺麗だなんて思わなかったなぁー」

「えーと、そ、そうだな! なんかよくわかんないけど綺麗だな!」

「ね、本当に綺麗……」


三井さんはうっとりとした表情で外を見つめるようなふりをする。

これは、アレか? 君の方が綺麗だよ、とか言うべきなのか?


「え、えーと、君の方がき……」

「あそこのビルとか社畜がこんな時間まで働いているおかげで綺麗なんだよね、あはは」

「シチュエーションを振っておいて、勝手にぶち壊しにするのやめてもらえません!? あと、絶対に水瀬はそんなことを言わないと思う!」

「えー、現実の女なんて大体こう言うこと考えているでしょ?」

「そういう差別的考えは良くない!」

「しょうがないなぁ。はい、仕切り直し。『コント・夜の観覧車での告白』」

「ねぇ、これまだ続けるの?」

「あ、下を見て! 観覧車の行列が続いているよ! あはは、人がゴミのようだね!」

「出だしから雰囲気作りに失敗しているよ! どうやったらその会話から告白につながるのさ!?」

「こういう他愛もない会話から如何に良い雰囲気にするかが腕の見せ所だと思わない?」

「だからって『人がゴミのようだ』から告白まで持っていくのはハードル高すぎるよ! ていうか俺はム●カ大佐みたいな発言する人に告白しなきゃいけないの!?」

「もう、文句が多いなぁ……」

「この説得は正当なものだと思うんですけどねぇ!」


三井さんは両手の手のひらを上に向ける形にして「やれやれ」という仕草を取る。


「あーもう、わかったよ。じゃあ、私は黙っているから詩織にどう告白するかを言って見せてよ。マズイところがないかをチェックしてあげる」

「え、いや、恥ずかしいし、そんなのいいよ」

「……」

「……」

「……」

「三井さん……?」

「……」


え、なにこれ。本当に告白台詞を言わないとダメなの?

三井さんは普段のおしゃべり好きが嘘のように押し黙っているし、表情も真剣だ。

えぇ……なにこの仕打ち……。

あーもう、いいや! とりあえずテンプレな告白をしてみて、三井さんからちょろっと評価もらって終わりにしよう!


「あ、あのさぁ、水瀬。驚くかもしれないけど、俺、前からずっと水瀬のことが……す……」


うわぁ……練習とはいえ、これは恥ずかしい……

と、ここで唐突に教室の扉がガラガラと開けられた。


「ウィース。WAWAWA〜忘れ物〜♪ ……おわっ!? 結樹、女子と二人っきりでなにしてんだ!?」


どこかで聞いたことがあるような忘れ物をしちゃったぜソングを口ずさみながら一人の男が闖入してきた。我が友人、竹野正志だった。

俺は三井さんを割と近い距離でじっと見つめていたのもあって、正志は早速誤解しているようだった。


「おい、待て、正志。俺の話を聞け」

「ふっ、野暮なことは言わないぜ、結樹。放課後の教室で女子と二人っきりの逢瀬……! あぁ羨ましくて泣けるぜ、こんちくしょー!!」

「話を聞けって言ってんだよ!」

「俺とお前の仲だ! 聞かなくても分かるぜ、ちくしょう!」

「だから全然分かってないんだよ、お前は!」


そこに三井さんが口を挟む。


「おっと、そこの正志さんとやら。勘違いしてもらっちゃあ困るぜ。私と高瀬くんはそんな仲ではないよぉー? 私は高瀬くんの告白練習に付き合っていただけさ」


ただのコントだっただろ。


「へ? 告白練習? 結樹が? 誰に?」


あ、マズイ。


「ん? 詩織だよ? 水瀬詩織ー」

「三井さん!? 何、軽々しく人の想い人を伝えてくれちゃってんの!?」

「ほほう、水瀬かぁ……。うんうん、なるほど。そうかー、そういう趣味か、結樹は。悪くないと思うぞー、俺は!」

「くっそ、こいつには知られたくなかったよ! ていうか、正志! まとわりつくな、キモい!」

「お、絡み合う男子高校生二人……。うーん、ちょっとピンとこない……。ビジュアルの問題かなぁ……。やっぱりリアルだとちょっと……」

「三井さん、なに言ってんの!? 失礼なのもそうだけど、そういう趣味もあったの!?」


三井さん、幅が広いなぁ!


「お、そうだ。正志さん正志さん。ちょっと耳寄りな情報が……」

「ん、なんですかな? 三井さんとやら?」


と、急に三井さんは正志を引っ張り、ごにょごにょと何かを耳打ちする。

そして、正志はこっちを向いてニヤリと笑う。

嫌な予感がする。


「そうかそうか、結樹。頑張れよー、遊園地での活躍、俺も陰ながら応援しているぜ!」

「三井さん!? それも伝えちゃったの!? ていうかお前ついてくる気じゃないだろうな!?」

「いやー、都合の良い相方が見つかって良かったっす。これでペアチケットが無駄にならなくてすみそうっす」

「おいいいいい!?」


こうして、俺と水瀬の遊園地デートに、変なゴミがついてくることになったのであった。

もうこの企画、どうなるんだよ……。


『リンッ』

=================

三井 亜里沙

結樹への評価:ツッコミの面白い人

- 好感度 6→8 (パラメータが更新されました)

- 信頼度 12→16 (パラメータが更新されました)

=================


=================

三井 亜里沙

年齢:16

職業:高校生

- 女子高校生 Lv. 21

- 読書(※BL含む) Lv. 13(項目が更新されました)

- 物書き(小説 ※BL含む) Lv. 6(項目が更新されました)

- 絵描き(漫画 ※BL含む) Lv. 5(項目が更新されました)

=================


あ、なんか評価上がったし、BL情報が更新された。

三井さんの中ではちょっと秘密だったのか、BL。

うん、三井さんって本当に底が知れないなぁ……。


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