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(幕間)華麗なるMKMの活動

坂下教諭裁判事件よりも前の話です。

この間、幕間の裏話をしたばっかりなのに、またもや幕間ですみません。


毎週水曜日の放課後18時30分から、一部の教師陣によって構成される道川先生を影から見守る会(通称:MKM)の定期集会が開催されることになっている。

もちろん忙しい先生も多いため、必ずしも全ての構成員が参加できてはいないが、会長たる私……阿部幸助は毎週欠かさず参加している。

そのために私が顧問を務める野球部は、何があろうとも水曜日だけは18時までに練習を終え、生徒を解散させている。


さて、教室内の暗幕設置も終えた。

今週の集会が始まる。


「では、今週のMKM定期集会を開催したいと思います」


MKM副会長の武内先生……もといコードネーム:TAKEが開会を宣言した。


「今週は月の最終週ということで、各役職からの報告をお願いいたします。進捗が無くともその旨を報告するように。では、まず会計担当から」

「会計担当のコードネーム:シャイニング・野本です。新年度を迎える際に総務担当が実施した会内でのアンケート調査から、本会オリジナルの道川先生(女神)抱き枕の作成要望が多いことが報告されたかと思います。そして、総務担当からの問い合わせに応じて、その見積もりを取りましたので報告いたします。その資料を今、お配りしています」


ふむ、私も抱き枕が欲しかったんだ。学校に疲れた夜の癒しになるに違いない。


「ただ、既に本会の今年度における予算は決定しているため、会全体での大量発注では無く、希望者の分のみを発注し、支払いも個別にしようと考えております」

「広報担当のコードネーム:マウント・マウスです。ということは、以前検討されていたような新規入会者への特典としては用いないと?」

「そういうことになります。やはり1個当たりの価格が高いので、特典には従来から用いている道川先生・ブロマイドセットを活用してください」

「承知しました」

「では、会計担当からは以上です」


うむ、個別購入は妥当だろう。異論はない。とりあえず保存用・観賞用・ご使用の3つは欲しいな。


「この件に関して、会計担当への質問または異議があれば挙手をお願いします。……無いようですね。では、シャイニング・野本。引き続き、抱き枕の発注の程、宜しくお願いいたします」

「はい、総務担当からの発注という形で進めたいと思います」


よし、これで『おはよう』から『おやすみ』まで道川先生(女神)と一緒だ。


「では、次に広報担当」

「はい、改めまして広報担当のコードネーム:マウント・マウスです。まず、本会の新規入会者状況を鑑みた今後の勧誘戦略ですが……」


以降、広報・総務・企画担当と簡単な方向を行っていく。


「さて、各担当から、一通りの報告が終わりました。では続いて、皆さんお待ちかねの…… !」


構成員達が「おおっ!」と声を上げる。


「女神の最新写真・動画の上映会です!」

「「「イエァッ!!!!!」」」


構成員達の心が一つとなる。うんうん、結束とは素晴らしい。


「撮影担当のコードネーム:LOVE☆SAKIです。今週は定点カメラ4番の不具合で少し枚数が少ないですが、私が直接撮影を敢行したものもいくつかありますので、それでご容赦願えればと思います」


撮影担当のコードネーム:LOVE☆SAKI……もとい西川先生は、道川先生と同年代の女性教諭ということで、道川先生の自然な姿を間近で捉えることに定評のある人物だ。以前、撮影係を担当していたシャイニング・野本はいかにも盗撮っぽい写真しかなくて若干不評だったからな……。


「まずはこちら! 定点カメラ1番が捉えた『職員室でお菓子を食べようとしたら、ちょうど生徒が入ってきてあたふたする姿』です!」


設置したプロジェクターによって、教室のスクリーンに道川先生の姿がデカデカと写される。

「おおっ!」「これは愛らしい!」「可愛いィ↑」などと構成員から声が漏れる。はぁ……素敵だ……。

その後もいくつかの写真や動画が披露されていく。

今週もきっちりデータをもらわないと。


「続いては、私が撮影したものです。まずは、私が道川先生に『教頭先生ってズラなんだよ』ということを教えた後に、道川先生が教頭先生と話しながら思い出し笑いをして変な顔になっちゃった場面!」


口を押さえて笑いを堪えようとする道川先生を、教頭先生の頭越しに撮影した写真が表示される。

「これまたピンポイントな!」「可愛いけどめっちゃ面白い顔している!」「可愛いィィ↑↑」といった感想が構成員から漏れる。

ふむ、ここは会長からのコメントを挟もう。


「中々ユニークな写真で素敵ですが、写真に占める教頭先生の頭の割合が大きいので、教頭先生の頭をカットするかボカすかしていただける助かります」

「そうですね、では後ほど修正しておきます!」


ふむ、これでより純粋に女神を楽しめるというものだ。

ん? なんか教頭先生の頭部にひどいことを言った感じがするが気のせいだろう。


「次は、ただ歩いていただけなのに、なぜか足を滑らせて転んでしまう道川先生です!」


スクリーンに、転んでしまって今まさに床にぶつかろうとする道川先生が写された。

なんとすごいタイミングを撮影したのだ!

「ダイナミックな!」「可愛いけど怪我してないよね!?」「私の娘が!?」などと声が漏れる。本当に怪我が心配だ。大丈夫だったのだろうか?


「ご安心を! 隣を歩いていた私が左手のカメラでこの写真を撮影しながら、右手を女神の体の下に潜り込ませることで、なんとか御神体を守り抜きました!」


なんという神業! これは女神の抱き枕ができた暁には、私から自費でLOVE☆SAKIに進呈して讃えよう!

いやー、隣を歩いていたのが女性のLOVE☆SAKIで良かった。男性だったら例え構成員でも軽く尋問したくなってしまうところだった。

他の構成員達も「素晴らしい!」「よく撮った」「ありがとう、救世主(メシア)ァ↑↑!!」と彼女を讃えている。


「あれ、ですがこの写真……転んでいる道川先生の後ろに、田中先生が写り込んでません?」


気づいたのはコードネーム:TAKE。確かにこれは田中先生だ。そして……


「なんか……田中先生、屈んで覗き込もうとしてません? ……道川先生を」

「「「………」」」


重い沈黙が教室内を支配する。

ここは会長がビシッと言わなければならない場面だろう。


「コードネーム:センター・オブ・ジ・ライス……いや、田中先生。何か申し開きはあるかな?」

「……えーと、いや、これはですね、転びそうになった道川先生の身を案じて、慌てて駆け寄ろうとしているだけであって……」

「「「………………」」」

「………………スカートの中を覗こうとしていました」


無言の圧力に屈して、センター・オブ・ジ・ライスは白状した。

「死刑」「女神をなんだと思っている!」「許ゥ↑ 許さないィアーハッハ↑↑!!」「何色だったんだ!」と構成員も責め立てる。


許しがたいな、センター・オブ・ジ・ライス……!

あと、最後に発言した構成員! そっちも後で問い詰めよう。


「センター・オブ・ジ・ライスよ……。見たのか? 女神の聖域(スカートの中)を……!」

「い、いえ! 確かに私はこの通り転びかけた道川先生を見て、反射的に屈んで覗き込みました! しかし、距離・角度ともに悪く、聖域(スカートの中)は断じて見ておりません! 女神に誓って見ておりません!!」


「嘘だ!」「しらばっくれるな!」「なんて不埒なァ!」「後でこっそり色を教えろ!」と騒ぎ立てる構成員。構成員達は信じてないようだな……。だが、


「ふむ、確かにこの写真を見る限り、センター・オブ・ジ・ライスの位置からでは聖域を見るには難しいように思える」

「信じてもらえますか!」

「ああ」


他の構成員達も写真を改めてみると流石に覗き見ることが難しいと判断したのか、渋々私の意見に同調した。


「だが、センター・オブ・ジ・ライスが不貞を働こうとしたのもまた事実。今日から1ヶ月の間に撮影される女神の写真・動画のデータをセンター・オブ・ジ・ライスに渡さない。そして、火曜日の帰宅確認業務の任を解く。火曜日の業務はシャイニング・野本に引き継いでもらう。良いな?」

「そ、そんな……!」

「良いな!」

「承知しました……」

「さて、暗い話題はこれまでだ! 続きの写真達をみんなで楽しもう! センター・オブ・ジ・ライスもデータを渡さない分、ここでしっかりと目に焼き付けておけ!」

「……はいっ!」


途中少し険悪になってしまったが、この後は、いつも通り和気藹々と女神をMKM全員で楽しんだのであった。あぁ……女神の御姿は少々の険悪な雰囲気など軽々打ち消す神々しさ……。願わくば、この至福の時が永遠に続きますように……!

この回、ツッコミ不在でしたね。

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