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(幕間) 乙女達の反省会

私、今井明奈と杏香は、水族館に行った後、2人でファミレスに来ていた。はっきり言って、雰囲気は良くない。


「なんて言うかさ、杏香は……頑張ったよ……」

「うん……」


杏香は目に見えて落ち込んでいる。

そりゃね……与田くんとそれなりに仲良く話せていたのに、一番良いところで急に現れた他の知り合い(高瀬のお母さん)のせいで話に入り込めなくなりゃね……。

与田くんも折角可愛い女の子が隣に居たんだから、そっちとお話しすれば良いのに。

分かってないなぁ。


「確かにデートの終わりはちょっとアレだったけど、途中までちゃんと話せてたし、そこは良かったんじゃない?」


そう、収穫が全く無かったわけではない。

与田くんの前だと緊張してロクに会話もできなかった杏香が、一応ちゃんとおしゃべりできるようになったのだ。そこは成長だと思う。


「うん、そこは良かったなぁ……って思う。それだけでも、行った甲斐はあったと思う」


うん。ちょっと強引だったけど、私も杏香を誘って良かったって思える。


「でも、折角良い感じだったのになぁ……。一緒に運動して、お弁当を食べてもらって、水族館を見て回れて……」


そうだね。でも、お弁当は余計だったわ。

私も2人の応援どころじゃなくなっちゃったし、与田くんに至っては失神してたし。


「あのさ、杏香……話逸れるんだけどさ、他人に料理する時ってちゃんと味見する?」


あんまり聞きたくないけど、聞かずにはいられない。

あの弁当、好きな人どころか、人間が食べちゃいけないものでしょ。


「うん? するよ? 当たり前じゃん」

「なん……だと……?」


え、杏香、アレちゃんと味見してたの!?

なんで生きていられるの!?


「あのお弁当も良い感じに刺激のある味にできてたんだけどなぁ」


刺激がありすぎて与田くん倒れてましたけど!?

杏香の舌……っていうか身体どれだけ丈夫なのよ!? あなた本当に人間!?


「家族にも食べてもらったんだけど、お父さんなんか嗚咽を漏らしながら『う、美味いぞ……』って言ってくれたし」


それ、多分苦しんでたんだと思う。

杏香のお父さん……娘のためとはいえ、よくその言葉を紡げたわね……。


「お母さんも『あなたは料理の天災ね!』って言ってくれたし」


うん、漢字が違うね。

娘を傷つけないようにしながらも、上手く心の叫びを表現できてるわ。


「妹は食べてくれなかったんだよねー。なんか『私、急に引き篭もりごっこがしたくなったから部屋から出ない』とか言って。そういう遊びが流行ってるのかな?」


妹さん、言い訳は雑だけど良い判断だわ。

時には逃げることも大切よ。


「ふ、ふうん。でも、結局ほとんど中身がひっくり返っちゃって残念だったね」


私がやったんだけど。


「それね……。ゴタゴタした時に絶対高瀬の奴がやらかしたんだよ」

「うん、そだねー」


あ、なんか勘違いしてくれてる。ここはそういうことにしておこう。


「でも、何より問題なのは敦くんさ……高瀬とそのお母さんのこと好き過ぎじゃない?」

「本当にそれ」


与田くん、私達乙女2人と一緒に行動しながらも、基本的に高瀬くんのことを気にかけてたからね……。

本当にホモかとも思ったけど、そのお母さんまで仲が良いとなると、高瀬家のことが気に入っているってことかしら?


「やっぱり高瀬を亡き者にするのが一番手取り早いんじゃ……」

「そうかもしれないけど、それはやり過ぎでしょ」


亡き者って……冗談とはいえ、一応諌めておかないとね。


「あ、そうか。高瀬を亡き者にしてもまだそのお母さんが残っているのか……。流石に親子抹殺は目立ってしまうか……」


…………冗談だよね?


「一応、言っておくけど、高瀬くんは今回あなたのことを応援していたからね」

「え、そうなの?」

「うん、まぁ基本的に役に立たなかったけど」

「ふーん……」

「まぁ、あいつが居たから与田くんも来てくれたわけだし、その辺は感謝しているんだけどね」


高瀬くんが居たから与田くんも来たけど、高瀬くんが居るから与田くんは彼ばかり気にする……うーん、ジレンマ。


というか、与田くんって高瀬くん云々は抜きにして、女の子に興味を持っていない気がする……。その辺りが本当のところどうなのかが分かって来ないと、今後どう対策を取ったら良いか分からないな……。


「で、これからどうしたら良いかなぁ……」

「うーん、与田くんがどういう恋愛スタンスを持っているか読めないんだよね。もうちょっと与田くんのことを理解しないといけないような……気がする」

「ふむふむ……じゃあ、ストーキングして敦くんのことを理解すれば良いのかな?」


盗聴器を持っている私が言うのもアレだけど、迷惑行為だからね、それ。


「まぁ、それは最終手段として、あとは高瀬くんに聞いてみる……とかかな、癪だけど」

「……明奈、意外と高瀬のこと買っている感じ?」

「まさか。他に選択肢がないだけだよ」


でも、高瀬くんはゴネれば何でも言うこと聞いてくれそうだし、その辺は便利そうなんだけどね。


「うーん、まぁ、高瀬は他人に言いふらすタイプでもないから、気が向いたら相談しても良いけど……うーん……」


まぁ、すぐにはアクションしにくいよね。

でも、与田くんを墜とすには、やっぱり高瀬くんから探っていくのが近道な気がするのよね。

正直、頼りないけど……頼むわよ、高瀬くん。


漢・高瀬結樹、全くモテないが影でほんのり評価が上がっているのであった。


=================

原田 杏香

結樹への評価:お邪魔虫

- 好感度  2

- 信頼度 11→13 (パラメータが更新されました)

=================


=================

今井 明奈

結樹への評価:役立たず

- 好感度 4

- 信頼度 8→12 (パラメータが更新されました)

=================



デート作戦編はこれで完全に終わりです。

次からは他のキャラも出していきますー。

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