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12.クラスメイトの企みを知ったけど

朝の教室、俺はいつも通り敦(熟女好き)と正志(ストライクゾーン広めのアニオタ)と話していた。

我が友ながら濃いメンツだ。


そんな中、少し離れたところで他の友人と話していた原田杏香が急に大声を上げた。


「え、え!? そんなの無理だって!」


どうしたのだろう?

確かに自分が貧乳であるという事実は原田にとって確かに受け入れにくいかもしれなシャーペンは投げるものじゃないですよォ!

凄まじ勢いで脳天めがけて飛んできたシャーペンを俺はなんとか躱した。

って、ん!? 俺、躱した!? 原田の攻撃を!?

ふっ、俺も成長しているということか…!


「うぐおおおお!?」


あ、俺の躱したシャーペンが正志に刺さった。


「正志ーー!?」

「マサシ!? どうしたー!?」


倒れた正志に慌てて駆け寄る俺と敦。


「……くっ、俺は……もうダメだ……! この傷じゃ助からない……」

「正志、しっかりするんだ!」

「……ふっ、最後に美女・美少女のハーレム……作りたかったぜ……ガクッ」

「マサシー!? 死ぬなー!!!」


大声を上げて正志を揺する敦。

なんてことだ、誰がこんなことを! いや、原田なんだけどね!

くそう、正志が死んだ! この人でなし!


『ポッ』

=================

竹野 正志

状態:気絶

身長:165 cm

体重:51 kg

=================


あ、生きてたわ。良かった良かった。

おい、敦。正志なら放置しておいても大丈夫そうだぞ。


と、そこに正志を葬ったご本人が現れた。

くっ、まさかの追撃か!?


「あの、2人にお願いがあるんだけど!」


原田杏香……の友達の今井明奈が俺と敦に声をかけてきた。

俺達の隣で倒れている正志のことも少しは気にしてあげてほしい。


今井さんは……確か原田とかと違って常識的なステータスだった気がする。


『ポッ』

=================

今井 明奈(あきな)

年齢:17

職業:高校生

- 女子高校生 Lv. 33

- バスケットボール Lv. 11

- カフェ巡り Lv. 7

- 映画鑑賞 Lv. 4

=================


うんうん、普通普通。

今井さんはバスケ部で身長も女子の中ではちょっと高めなほうなんだよね。

クラスでも活発な方な女子だと思う。

でも、急に話しかけてきてどうしたんだろう?


「ああああ、敦くん! その、あの、えっとね!」


相変わらず敦の前だと原田はテンパるなぁ。

ていうか、俺も声かけられているんだから、俺の名前も呼んで欲しいんだけど。

それとも何か? 『ああああ』が俺の名前の部分だったりする?


「杏香、大丈夫。2人には私から説明するよー。えーと、少し前なんだけど、2駅離れたところに水族館ができたのって知ってる?」


あ、なんか聞いたことあるな。


「ふむ、確か元々広場……というか広いだけの空き地だったところに、公園と水族館ができたんだったかな?」


そう答えたのは敦。


「そうそう、そこそこ! それでね、私の親戚からそこの割引券をもらったわけよ……期限が今週末までのやつを4枚分ね」

「ふむふむ」

「でもね、丁度私の友達はみんな今週末用事があってね、まだ杏香しか誘えてないの。で、杏香と仲良い人だったら男子でもいいかなーと思って、2人を誘っているわけよ!」


あ、なんか分かってきたぞ。

今井さんは、敦のことが好きな原田のために、一緒に出かける機会を作ろうとしているって魂胆だな。そして、多分俺はオマケだ。

説明しながら俺にアイコンタクトで『察しろ!』って言っている気がする。


『シュッ』

=================

今井 明奈

現在の心境:高瀬、分かるよね? これは杏香のためなのよ! 朴念仁の与田くんをちゃんと引き入れて!

=================


ほら、やっぱり。

あ、でも今井さんも実は俺狙いでダブルデートを考えてたりとか……


『シュッ』

=================

今井 明奈

結樹への評価:人

- 好感度 6

- 信頼度 9

=================


そんなことなかったですね、はい。

ていうか、せめて僕の評価を友達とかクラスメイトにしてくれない?

なんか雑すぎて涙出てくるよ。


「なるほどな。ユーキはどうする?」

「ん? まぁ俺は別に行っても良いと思うけど」

「ふむ、ユーキが行くなら俺も言っても良いかな」


おい、そのホモくさい発言やめろ。


『シュッ』

=================

今井 明奈

現在の心境:与田君ってやっぱりホモ?

=================


ほら、変に思われるじゃんかよー。

今井さん、敦は純粋に友達想いなだけの普通の熟女好きですよ?


『シュッ』

=================

原田 杏香

現在の心境:チッ、やっぱり高瀬が私の敦くんを誑かしているんだ……!

=================


誑かしてねぇよ! あと、敦は別にお前のものじゃねえよ!

ていうか、マジでキレないでくださいませんかね!?

冗談抜きで怖いからその勘違いはやめてくれ!

冗談は胸だけにしてお……ゴスッ!


「おふう!!??」


何か投げてくるかと思ったら、左フック……だと……!?

やれやれ、まいったね……どうも……。


「よっし、じゃあ日曜日は仲良し4人で水族館に決定ー!」


今井さん、その仲良しの1人が今まさに暴行を受けている点に何か言及してくださいよ。


しかし、待てよ?これはひょっとしてチャンスではないか?

敦はすごく良いやつだが、俺の母親を狙いかねない熟女好きだ。

その敦が、原田に本気で好意を抱かれていると分かったらどうなるだろう?

確かに原田は色々とアレだけど、見かけ上はクラスの可愛い女子の1人だ。

さしもの敦でも同年代の女の子を愛せるようになるかもしれない…!

そうなれば、俺は原田に敦を誑かしていると勘違いされることもなく、俺の母親も狙われることがなくなる……!

素晴らしい! これだ! このデート作戦、全面的に応援してやるぜ!

俺は今井さんに渾身のスマイルを浮かべたアイコンタクトで、2人を応援することを暗に伝えた。


『シュッ』

=================

今井 明奈

現在の心境:なんか高瀬君が変な目でこっちを見ている……。なんていうか……キモい……。

=================


くじけそう。

全然、こっちの思惑が伝わってないし……。


『リンッ』

=================

今井 明奈

結樹への評価:人?

- 好感度 6→5 (パラメータが更新されました)

- 信頼度 9→8 (パラメータが更新されました)

=================


そんなに簡単に評価下げないで……。

あと、人であるかどうかは流石に疑わないで欲しい……。


「……皆、席に着きなさい」


そう言いながら坂下教諭が入ってきた。

おっとそろそろ授業の時間だ。


「……なぜ、竹野はこんなところで倒れているんだ?」


あ、原田の手によって葬られた正志のことを忘れていた。

ていうか、あいつ今井さん達に遊びに誘われることもなかったし、本当に不憫だな……。


「あ、大丈夫です。正志なら気絶しているだけです」

「……普通、学校で気絶することがまずないと思うのだが」


坂下教諭がギロリとした目でこちらを見る。

だから、教諭、怖いですよ?

でも、内心はビビっているんでしょう?


『ポッ』

=================

坂下 亨

現在の心境:なぜ、竹野は倒れているのだ……?

ま、まさかイジメ……イジメなのか!?

そうなると、その責任は担任でもある俺に……。そして、懲戒免職……。

さらば、教師生活……。もはや、これまで……。

=================


「起きろー! 正志ー!!!! 元気な姿を坂下教諭に見せてやるんだー!!」


俺は、正志を懸命に揺すり起こした。

起きろ! 起きるんだ、正志! 坂下教諭のメンタル維持のために!!!


この後、正志は目を覚まし、なんとか教諭のメンタルは保たれた。

あ、別に目を覚ましたからといって、正志が今井さん達に誘われることはなかったです。可哀想に……。



デート作戦編、続きます。

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