8/11
8.って、明日死んじまうのか!
殺処分。
冷たく無慈悲で理不尽な響きが頭の中を駆け巡る。
「待ってくれ!僕は傷つけるつもりなんかなかったんだ!あちらから…。」
「黙れ!!!」
鎧の兎は一喝すると、檻の扉を堅く閉めた。
檻の中で僕は絶望する。
こんなペラペラの檻に閉じ込められたことではない。
鎧の兎達に絶望したのだ。
でも…。
最後の望みを捨てず、僕はもう1度明日の処刑前に兎達に話をしてみることにした。
「おいっ!おまえも捕まったのか!兎に刃向かうとはやるじゃねーか!オレはスナイフ!これからよろしくな!って、明日死んじまうのか!」
隣の檻の男は大声で楽しそうに笑った。




