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7.檻
そのあと無抵抗の僕を兎達は何度も殴ったのだ。痛くはなかったけど。
でもワザとではないとは言え、腕をもいでしまったのはいけないことだ。
僕は檻の中であの兎にどう謝ろうかと、思い悩んでいた。
そんなことを考えていると、いつの間にか目的地に到着したらしい。僕は馬車の檻から地下の汚い檻の中へと収監された。
僕は鎧の兎達に尋ねた。
「僕はいつここから出ることができるのでしょうか?」
「明日には出れる。まあ、処刑されるためにだが。」
「処刑!?」
「兎を傷つけた奴隷は殺処分と相場が決まっているだろう。」
鎧の兎は僕を見るのも嫌そうにそう冷たく言い放つと、檻の鍵を閉めた。




