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6.下等生物
僕は兎達と争う気などない。
素直に命令に従い、僕は後ろを向いて手を上げた。
鎧の兎達が徐々に寄ってきて、今度は僕に手を前に出すように命令し手錠を架ける。
「よしっ!」
鎧の兎達の緊張が若干解けたのが伝わる。
僕は手錠を架けられると、鎧の兎達に囲まれる。
鎧の兎達は手錠を引っ張ると、そのまま僕を檻のついた馬車へと入れた。
僕を檻に入れれるとき、ボソッと耳元で赤い鎧の兎が囁いた。
下等生物が…。と。
きっと兎達のことだ。話せば分かってくれるだろう。
先に喧嘩を仕掛けて来たのはあの兎達。正当防衛だ。僕は傷つける意思もなかった。




