前奏曲
魔王陣営も好きですが、勇者陣営は進んでいないにも関わらずじゃ〇りこの二分の一くらい大好きです。
「君は私に望まれてこの世界に来たんだ」
「君は私という存在に望まれ、もう一つの世界からこの世界に飛ばされたんだ。それはとても無駄なことかもしれないし、或いは君の存在観全てを変えてしまう、とてつもなく有意義なことかもしれない」
「もしかしたら君の存在自体を変えてしまうものかもしれないね」
「要約して言ってください」
「君は勇者になったから魔王を倒してきてくれ」
耳を疑った。
自分でも認めている運動音痴の私にそんなことを言うこの人を頭がアレな人なのではないかと思った。
「いきなり飛んで言い過ぎたね」
彼女はクスクスと笑っている。放心する私を気にせず彼女は続けた。
「ここは『ファンタジア』」
「君の世界とはズレた世界」
『パラレルワールド』ということだろうか、頭が追いついていかない。
「ふふ、頭が追いついていかない、といった様子だね。無理もない。」
彼女は紅茶を飲むと、自分のカップにおかわりを注いだ。
不思議とこの人のことを疑っていない。こういうカミングアウトの大体はノリだ。受け入れることはできる。人間不思議な事が続くとこうなるものだ。
「少し休むかい?」
「いえ、構いません、話してください。なぜ私をこの世界に呼んだのか、魔王とは何なのか、私は誰なのか、そして、私は何をしたらいいのか」
「君は賢いな」
彼女は少し驚いた顔をした。
「では、順番に話していくとしよう」
「まずは、何故君をこの世界に呼んだか、だったね」
「それについてはもう一つの疑問、魔王が何なのか、ということも並行して説明しなければならない」
「外を見てくれ」
言われた通り、木枠の窓から外を覗く。外は何故か真っ暗だ。
「ひっ……」
思わず悲鳴をあげてしまう。
暗闇の中に何かがいた、まるで誰かを狙っているように。目が私を捉える。頭に警告音が鳴り響く。
殺される、本能的に感じしゃがみ込むと、スタスタ歩いてきた彼女がシャッ、とカーテンを閉めた。
体中に違和感が走る。
「すまなかったな、だがしかし体験してもらわねば理解できないと思ったのだ」
「今のはっ……今の『アレ』は何なんですか!!!」
語気が強くなる、今までに体験したことのない恐怖だった。
「まあ、見ればわかるだろうが…」
「え?」
彼女は驚く私を横目にドアを開けようとする。静止の声も届かず、ゆっくりと…。
「トレーネ!!ふざけんじゃないわよ!」
ドゴッという破壊音でドアが後方に吹き飛んだ。家の中に風が吹き荒れる。突然のことに私の頭は理解が及ばない。
其処に立っていたのは黒い修道服を身に着けた女の人……
そこまで理解したところでただでさえ、キャパシティーの少ない頭が追いついていかず、私の意識はそこからブラックアウトしたのだった。
まだ、主人公の名前すら明らかになっていないのにこの更新速度は頭痛が痛くなります。




