異世界からの手紙
「あ。お兄ちゃん?手紙貰ったよ?」
妹を名乗る少女から、一通の手紙が渡される。
「中身は見てないから大丈夫だよ。差出人が書いてないのが謎なんだけど...。まぁいっか。じゃあ、お兄ちゃんが起きたって事、真日菜さんに報告しなきゃダメだから。じゃあまた。」
「ちょっと待ってくれ!」
「どうしたの?」
「君、誰?」
自分の事を兄と呼ぶ少女の名前位、把握したかった。
「え、大丈夫?やっぱりまた真日菜さんに治癒魔法かけてもらった方がいいの?私だよ、鈴沢莉菜。お兄ちゃん、鈴沢拓海の実の妹!」
「僕、鈴沢拓海って名前じゃない...」
「は?何言ってるの?もう!まさか、記憶喪失?どうしよ。治せるかな..でも脳の怪我だからなぁうーん。うーん。」
少し考えて少女はこう言った。
「真日菜さん呼んでくる」
と言って部屋を後にした。
少しため息をついて、手紙を読む事にした。
稲沢 拓さんへ
おはようございます。この手紙を読んでいるという事は無事に目が覚めたという事ですね。良かった。あ。申し遅れましたが僕の名前は、鈴沢拓海です。
突然ですが、貴方は体交換されました。
つまり、稲沢拓と鈴沢拓海が体を交換されたという事です。
今日から、貴方は 鈴沢拓海 です!
と言われてもよくわかんないと思うのでまとめました。
1 貴方の名前はこれから鈴沢拓海です。
2 貴方は鋼の魔法が使えます。
3 貴方には妹がいます。鈴沢莉菜です。
4 この世界は貴方のいた世界とは全く正反対の世界。異世界です。
5 この世界では、文字と言葉。両方使えます。
6 貴方はレクトという組織に入っています。
7 貴方個人の仲間は、他に五人います。
8 現在、御影空という方が行方不明です。探してください。
9 他に分からない事は全部、真日菜に聞いてください。記憶喪失という事にしとけば、優しい彼女は全ておしえてくれます。
という内容の文面だった。
さっぱり意味が分からない。異世界?魔法?前いた世界とは異なり過ぎていた。
えっと、つまり、えっと
みたいな状況が続いた。
「お兄ちゃん!真日菜さん呼んできたよ?」
そこには、僕と同じ年齢位の美少女がいた。