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危険模様の訪問先
幸い命は助かった。まだ目は開けて無いけど意識が戻った。
でも、あの古本屋の事故で命をおとすかと思っていたから不幸中の幸いって思った。
しかし、その思考は目を開いた瞬間に変わった。
「お兄ちゃん?」
声が聞こえた。
少女のふんわりとした優しい声。
起き上がろうとした瞬間、激痛が体のいたる所に走る。
すぐに、体の体勢を戻す。
「お兄ちゃん何やってんの!?まだ動いちゃダメでしょ?」
彼女が見えた。それはあり得ない光景だった。
真っ白な腰辺りまで伸びる長い髪。その量も多い髪を二つの三つ編みにしている。そして、白い肌に星のように光るエメラルドのような瞳。
日本育ちの彼には衝撃だったのだ。
「せっかく真日菜さんが治癒魔法かけてくれたのに!」
真日菜?誰の事だろう?それに僕の事を兄と呼ぶのは誰?
その答えは手紙をら見てから分かるのは数分先だったのだ。