準備的挨拶
いよいよ、僕の初仕事の日がやってきた。
五時に起床したものの、八時に出発らしい。
みんな、出発するために準備を整えるのだ。
「わ!拓海さん、準備が早いんですねー」
敬語を使った、少年の声が聞こえて振り返る。
「あ。記憶喪失したんでしたっけ?僕の名前は...」
「南里 翔よ。」
「花!いきなりはいるなよ。せっかく僕が言おうとしたのに...。」
「別にいーじゃん。どうせ言うんだから」
「そりゃあ、まぁ。」
と、南里翔と言う名の少年は花より少し身長は上だった。
160〜170cm位か。まぁ、普通の男子高校生の身長だろうか。
「南里翔って言います。氷の魔法を使ってます。花のパートナーです。趣味はアウトドアです。副魔法はやっぱり、光です。よろしくお願いします。」
敬語を使われたのは何年ぶりだろうと、考えていると莉菜が凄くゴスロリチックな服を着てきた。
「何その服」
と、僕はツッコミを入れたを
「魔法着だよ。私、闇魔法使うから服は黒や紫を使ったゴスロリの服を着てると魔力が上がったりするから。」
「莉菜が着てくんだったら、私も着てくわー」
ふむふむ。
「ちなみに、男の人はあまり魔法着は着ないんだけどね」
「そうなんだ。」
「着てきたよー。」
と、花が着てきたのは莉菜と正反対。ロリィタファッションだった。
フリル満載の白とピンクが使われているワンピースはとてもすごかった。
「莉菜ー。お菓子食べたいなぁー」
「はいはい。言うと思って昨日の夜クッキー作っといたわよ」
「あんがとー」
と、小走りにキッチンへ花は向った。
「ふふん。二人はお菓子作りがとても上手なの」
「なんで、真日菜が嬉しそうなんだ?」
「自慢の後輩だからだよ!」
「あ。もうそろそろ八時ですよー。バスが来ます」
「はーい!」
と、返事が返ってくる。
キッチンにいる花も、さっきまで後輩自慢していた真日菜も。ゴスロリワンピースが似合う莉菜も。そして僕もだ。
もうすぐ、バスが来る。
僕は少し油断していた。
これから、待っている彼女たちの恐ろしさも知らずに。