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王女の宣言

王女が赤く美しい唇を開いた。

「いいこと?エレノア」

「はい」

いつになく厳しい表情の主に、エレノアはごくりと唾を飲む。いつも優しげな微笑をたたえている白いかんばせには力強い瞳が光り、それが普段とはまた違う美しさとなってエレノアを威圧した。

大切な友人であり、主でもある王女アイリーンはぱたりと音をたてて扇を閉じた。

そして、厳かにこう宣言した。

「命令よ。恋をしなさい」


王女は二度、侍女の恋の邪魔をした。

そして今、恋することを命じた。

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