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カフェ・ギムナジウム  作者: 風水ほのお
ビクトリアンの楽園
9/22

ビクトリアンの楽園 1

さあどうぞ、お嬢様。薔薇のアーチをくぐり、木製の扉をひらくと、そこは禁断の花園――

すっかりこのカフェがお気に召したようですね。


「いらっしゃいませ。お一人様ですね」


本日はアドニス・漣・水無月のエスコートです。

彼はヨーロッパでも社交界デビューしておりますから、立ち居振る舞いも洗練されて美しいですね。椅子を引く仕草もとても自然です。

今、彼のネクタイピンをご覧になりましたね?


本日は何になさいますか?

はあ…、来る『乙フェス』のための資金確保で節約のため、紅茶のみですか。そのようなお客様も結構いらっしゃいますよ。

特に常連さんは、毎回スイーツを注文していては破産する、と。


ほら、あちらからトレーを持った神楽坂理央が参ります。

アドニスとすれ違いざま、ネクタイの位置をなおしておりますね。

理央が普段からアドニスのことをよく見ている証拠です。


お返しにアドニスはその細い指先で、理央の眼鏡をなおし――いえ、眼鏡はズレていませんでしたから、単なるじゃれあいでしょうか。


今日も宇佐美ミツキがおりますから、本日のオススメが飛ぶように売れますね。

『乙フェス』が近い今、ミツキファンのお嬢様方はお財布の中身を気にされて、頭が痛いとのことだそうで。


おや、お菓子を配り終えたミツキが、注文を聞いている剣虎牙の後ろにソーッと近づいて…ポケットに個包装のチョコレートを入れましたね。

虎牙は厨房に入る前に、仏頂面でミツキにチョコレートを突き返し、額を軽く小突きました。

ミツキがその後を追います。どうやらミツキは、虎牙にもっと構ってほしいようですね。


お嬢様? せっかくのアップルティーが冷めてしまいますよ。

ああ、あの曲ですね。

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