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カフェ・ギムナジウム  作者: 風水ほのお
禁断の楽園
20/22

禁断の楽園 2

『カフェ・ギムナジウム』は一階がカフェである談話室、二階が執務室、更衣室、休憩室、倉庫となっている。

今日の授業を終えた生徒たちが、更衣室で帰り支度をしている。


「あ~あ、またオススメメニューの配布用のお菓子、切れそうだから買わねーと。面倒くせー」


ロッカーをバタンと閉め、宇佐美ミツキが愚痴をこぼす。


「せめて森田さんが買って置いといてくれればいいのにっ」


「まあ、領収書を持って行けばその分、必要経費として下りるんだからいいだろ。どさくさ紛れに自分で食う分も買えるし」


普段着のジャージに着替えた、神楽坂理央が隣のミツキに言った。眼鏡キャラだが実は視力が両方とも一・五なので、眼鏡はあくまでも制服の一部だ。


「いらねーっすよ。チョコとかクッキーとかキャンディー限定とか。俺、甘い物嫌いだし」


横から剣虎牙が口を出す。


「ミッキーのお菓子目当てでオススメ注文する客が多いからじゃね? 前に注文が殺到して午前中には売り切れ、って伝説作ったほどだしさあ。ネットでも“ミッキーのお菓子、今日ゎチョコだったぉ”なんてさ~」


「面倒なだけっすよ、虎牙さん。前にネットで“ミッキーに直接あ~んってしてもらいたい”なんて見た時、こいつキメェって思ったし」


ふくれっ面のミツキを、虎牙は明るく笑って慰める。クールキャラだが本人はいたって明るく、飲み会の盛り上げ役だ。


「ミツキ、俺が買ってきてやろっか? 甘い物食うし」


「鷲一さん、やっさし~。お願いしちゃおかな」


天羽鷲一は後輩の面倒見もいい。そこは学院のキャラと同じなのだが…


「それバレたら大変だよな。鷲一兄さんは甘い物が嫌いなスポーツマン、だし」


レザーの上下に身を包み、行儀悪くロッカーを足で閉めた弟役・天羽鷹二が、からかうような口調で言った。


「やめてくださいよ~俺、甘い物好きでスポーツ苦手なんすよ」


「兄さんの方が実は年下、って事実もバレたらヤバいよね、あははははっ」


更衣室に虎牙の明るい声が響く。

虎牙は鷲一と鷹二を見比べて言った。


「そういや、鷲一くんと鷹二くん、まったく赤の他人なのに異母兄弟って設定もスゴいよね。院長、無茶ぶりするよ」


スマホをいじっていたアドニス・漣・水無月が顔を上げた。


「俺なんて純粋な日本人なのにギリシャ人とのハーフだぜ?」


「あれ? 漣ちゃん、また彼女からメール? 院長にはいいけど、ファンの子にはバレないようにしろよ。一昨年だっけ、子持ちってのがファンにバレて騒動になって「退学」になった人もいたしな」


理央がアドニスの肩に寄りかかった。


「違うよ。田舎の兄貴。親父が最近、調子悪いんだって」


ミツキもスマホをいじり、ゲームをしながら話に加わる。


「水無月さんの実家って、イギリスの貿易会社、じゃないよね?」

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