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カフェ・ギムナジウム  作者: 風水ほのお
レトロモダンの楽園
14/22

レトロモダンの楽園 2

「抹茶小豆パフェを注文してくれたメートヒェンにこれ♪」


若草色の着物にスタンドカラーの淡いブルーのシャツ、紺鼠(こんねず)の袴という書生服の宇佐美ミツキですよ。なかなか似合っていますね。

袂から個別包装の小さなもなかや落雁を出してプレゼントしていますね。


抹茶小豆パフェ…一番高いメニューですが…所持金は大丈夫ですか? 帰りの電車賃は確保してくださいね。


「抹茶小豆パフェですね。かしこまりました」


メタルフレームの眼鏡、知的で優雅な笑顔の神楽坂理央。通るたびにお客様の視線を奪っていきます。


おや、アドニス・漣・水無月も学生服ですね。

アドニスが理央の腰に手を回し、何かささやいていますよ。理央も腰に回されたアドニスの手を軽くにぎり、何かささやいております。

ほかのお客様方も注目なさっています。


あのふたりは最近とくに、ささやき合いが多く見られるようになったとか。


「今日はヴァイオリンの演奏が無いんですか?」


「えっ…あの、兄さん…」


おや、どうやらお客様からリクエストされて困っている学生服の天羽鷹二が、兄の天羽鷲一に助けを求めているようです。


鷲一は書生服ですね。真っ白な着物とスタンドカラーのシャツ、鈍色の袴に下駄。短い髪にキリッとした眉の端正な顔立ちですから、よく似合っていますね。


「申し訳ございません。本日はいつもの室内と違い、音を出すと周囲の催し物の妨げとなりますので、鷹二の演奏はございません」


お客様は残念がっておられますが、納得してくださったようですね。


「ありがとう、兄さん」


「しょうがないな、鷹二は」


鷲一が鷹二の頭を撫でましたね。内向的で音楽一筋の弟と、その弟を気づかう面倒見のよい兄――今度は、お客様方はこのふたりに視線が釘付けです。


ほら、理央が抹茶小豆パフェを運んできました。

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