二夜 異名の技 (前編)
予告の前に自分なりの今話の感想をこれから書くことにしました。
砂漠のはずれで倒れていた少年は目覚めると暴走族らしき人が持っていたバイクを使い、この町へ着いた。
日は既に天に昇り地を照らし一つの町は既に活気づいている。
「着いた。あの町があの元ハンター仲間のいる街か。 まだ入るといいな。」
そう、普通は喜んで良い出来事のはずだ。それが目的で自殺行為をしたのだから。しかし、ジュールの体は震えていた。嫌な思い出でもあるかの様に。
「・・・はぁ、仕方ない。来たからには会っておかないと。」
この町は砂漠の近くにあるので暑く外に出ている人は皆何かを被っていると思ったら間違いだ!
城門の様に縦に伸びた出入口のみが外に通じている唯一の扉で、その町の周りを円型にとても高い壁で覆われている。(と、外から見える。)
この理由はおそらく、外の砂漠の暑い熱が入らないようにする壁の役割と中にある涼しい空気が外にでないようにする為の壁の役割が混同している。
中は普通の町と同じ造りで、砂漠の近くだから!とかは無い。
「お邪魔しまーす!」
人一人分だけ開いた扉から大きな声で言って入っていく。・・・言わなくても良いからね。
表通りを当ても無く歩いていくジュール。
「う〜ん、いないな、当ても無くうろつくのはやっぱりまずかったな。連絡さえしていないからね。」
連絡無しで砂漠を越えてきたのかよ!?異名を持つ者をどこか違う?(間抜けなだけだよ。)
「おい、見ろよ・・・あいつだぜ。・・異名のハンターは・・・」
ヒソヒソ話している二人組のハンターがいるぞ。
「あんな奴が・・ガキだぜ・・・」
(何か言われているな。でも気にするほどの事では無いな。)
もうジュールは慣れていた。強大すぎる力を持つ者は行く先で周りの者からは嫌われるのだ。周りからはただでさえ得体の知れない旅人なのだから。
町を一周してきたが何も収穫無しだったジュール。少しばかり落ち込んでいる。
「はぁ、妖鬼でも出てくれば会えると思うけどな。事件でも起こらないかなぁ〜。(人の不幸を呼ぶな!)」
そばにあった小石を蹴りながら独り言を話す。・・話し相手この町で会えると良いな、ジュール。
「おお〜い!!妖鬼が現れたぞ!!ハンターは中央噴水広場まで来てくれぇ〜!!」
「なんてグッドタイミングに!神様ありがとう!日ごろの行いが良いからっ!?」
いや、お前は死神だろっ!と突っ込みたくなるのは私だけではあるまい。(しかも周りからは不幸な事だからなお死神らしさが・・)
―――中央噴水広場―――
「うわぉ♪妖鬼イッパイ♪しかも、他のハンターは居ないときた!これは狩りがいがありそうだな♪」
あんたなぁ、少し状況考えろよ!喜んでいる場合じゃねよ!もう攻撃されて死にかけた人がいるぞ!
「じゃぁ、状況分析っと、戦っていたら尋ね人も見つかるだろ。おそらくまだここの町に居ると思うし。」
(・・・敵はウルフタイプが数体とベアタイプが10数体か。 使うか。異名の元を!)
ウルフタイプの特徴は高さは1m近くあり、色は赤く、その牙と爪は他の類を寄せ付けないほどに鋭く、触れるだけで血が迸りそうだ。
また、ベアタイプは体は茶色く、2m近くの体を持っており、腕は筋肉隆々としており、岩をも砕く力がある。
「だけど、そこまで・・。発動・・・。」
両の手の平と片膝を地に付け目を閉じた。 それは静かに精神を整え、力を次の一手に込めている。
「っオォォ展開!!僕のっ完全創造世界!!!!」
目を開け、妖鬼が嫌でも注目するほどにあらん限りの声をあげる!
「対象!この地域一帯の妖鬼!+僕!転送!」
ジュールの体から眩い光が妖鬼ともどもを包み込み、次の瞬間にはお互いに消えていた・・・。
ジュールの力により転送された場所は、空は暗く、そのおかげで満月が上空で力強く光っている事をより強調している。地面は高さ10cm大の草が辺り一帯に生えている。
そこには、ジュールと中央噴水広場にいた妖鬼達のみがいる。それ以外は潜在しない。
「へへっ、」
片膝を地に付いていた体勢から自然体の立つとジュールが妖鬼に向けて言葉をかける。
「こっちはいろいろ戦う理由があるからねぇ。(これからの軍資金や元ハンター仲間に会うためや。)」
体はそのままにして右足を前に出して少し前提姿勢になり、左肩越しに右手を背中に動かす。
「見せてやるよ!真の死神の姿を!」
悲劇も力もまだ出ませんでした。済みません。
時折ジュールは怒って一人称俺になるときもあります。^^
また、間違えている人がいるかもしれないので言っておきます。『月夜』は『ツキヨ』です。
感想ありましたらお願いします。
瞬速に生と死を切り分ける死神の大鎌・・・。
その姿を捕える事など出来無き すなわち処刑。