一夜 異名
俺も古い言葉を結構使うかもしれません^^;
お節介+お喋りなナレータ役にも注目!(もしかしたらジュールに関係があるかも?)
描写はどうだったか教えてくれると嬉しいです。終わりが中途半端だったかな?
期待に添えたかも知りたいです!
三日月は地の真上にあり、淡く橙色の夕刻を思わせる光を帯びている。空は既に満開の星空、暗く月の光のみが地の姿を教えてくれる。
ここは右も左も分からないほどの目印など無い広い砂漠で一つ一つが山登り級の大きさの砂丘が無限に続いているかの様・・。
この砂漠の中にいる事は自殺行為と置き換えても可笑しくは無い。 そして、自殺行為をしている者がいた。
足跡が風によって消されていくが同じくらいの速度で新しい足跡が作られていく。
歩いている者はジュール・ブレイソー、16歳で黒い目と髪をしている男の少年。背は170,180cmで、少し華奢ではあるが別段可笑しい体つきでは無い。彼の実力は、ハンターに歳は関係無いと言うが16で三級のハンターとは異例の事だった。
級は準12級から特一級まであり、三級とは既に上級ハンターの中に入っているレベルである。
しかし、この実力は彼の最後の検定試験を受けた時の記録であり、実際は違った。彼には・・いや、まだ明かさない方が良いだろう。
彼の服装は大きな布を被っており、下側は布が地面を引きずっており顔は口元までしか見えない。 手が自由に動かせるが使うのは背中に背負っているナップサックから物を取り出す時くらいだろう。
「だいぶ、歩いたな。」
誰に語りかける事も無く話す。
「ルーシュの町まで後どれくらいかな?」
答える人はいないと分かりつつも話してみる。ルーシュの町が彼の目標のようだ。 話すときも歩みは止める気は無さそうだ。
「砂漠って思ったより広いんだな。方角魔針が無かったら迷っていただろうな。」
そう言い、右手にある手のひら大の方位磁石みたいな物を見る。 使う意味は方位磁石と同じく方角を確かめる道具だろう。
「・・・誰かいないかな?一人で話すの寂しくなってきたぞ・・・。」
寂しい気持ちは感じているらしき少年。なら、何故一人でこんな砂漠へ来たかと問いたい。
こんな感じでずっと歩いていく少年。うっすらと空が明るくなってくると、旅路の先に移動する光が見えた。
「三日間全く寝ていないからな・・・。光がぼやけてくるな・・・。」
どこで拾ったか干乾びかけた木の棒を杖にして歩いている。 それより寝ろよっ!
「や、やばい・・・、視界がグニャっとなって・来・・た・・・・。」 ぺキッ 木が折れた・・。
グニャって大丈夫か・・?って倒れるなぁー!!起きろーー!!
(変な叫び声が聞こえる・・・。僕もう死ぬのかな・・?)
「おい、このガキは何だ?」
あれ?さっきの移動する光は数十人の暴走族みたいな人たちのバイクの光だったんだ!そうか、そうか、ってもっと危険だよー!
「へい、ボス!旅人ですね。どうします?」
「アジトに連れて行け!」
「へい!」×ボスを除いた全員
「ん、?ここ何所だ?」
レンガ造りで、鉄格子によって出入り口を遮られた部屋が幾つかあり風も通っており砂漠の近くではない様だ。 ジュールがいる部屋は壁際だ。
「・おいっ、・・・こいつマトモな物を・・・・ないっすよ・・・。」
「なんだ?あいつ等?俺の者を調べて・・るなぁぁぁーー!!!」
誘拐されている現状を理解するといきなり怒涛の叫びで吠えた!(叫んだではなく吠えた。)
「うぉ!ビックリさせるな!この貧乏旅人!」
プチッ ←理性が切れた音ね♪ 「ふざけんじゃねぇー!!貧乏旅人しか襲えねえ貧乏族どもが!!」
ジュールも負けてはいなかった。
「てめぇ、言ってくれるなぁ。痛い目に遭わせないといけないみたいだなぁ。」
「いつの時代の言葉だよ、それ。古すぎ!言葉に遅れをとると恥ずかしいね。うん。」
「オラァァァ!ぶち殺す!聖光発動!」
手前にいた一人の男が聖光の事を思うと、何も無いところから光が出るとそこの中に手を入れ武器を取り出した!
「これでも俺達全員四,五級の実力者揃いだぜ。今のうちに謝っておくと・・。」
その言葉を遮り、ジュールが今度は叫ぶ!
「自慢話にもなっていない自慢はいいから、とっとと武器作ってやられる準備しやがれぇ!貧乏族ども!」
被っていた布を地面に叩きつけて叫んだよ。・・・ジュール。自分が三級だからって、人格がもう違うよ。後がいろんな意味で怖いからそのくらいにしてよ・。
「よし、ホールに来い。広い所でやらないと部屋が壊れるんでね。」
「OK」
ホールに行ってしまったよ。大丈夫かな?暴走族達。
出た場所は広く、ホールよりは観客席があるのでコロシアムの方がぴったり来そうな場所だ。空は太陽が出始めている。
「ここって元は遺跡か。」
「お喋りはもういい。死ねぇぇぇ!!」
数十人が武器を持ったままジュールに突っ込んでいく。 ジュールは驚く必要も無く右手を左手越しに背中に移し、そこから武器を作ろうと背中側から光が出始めた。
「もう遅いんだよ!死にな!」
そういわれてもジュールは笑っていた。
まるで、光の奥にある物が絶対的な何かを持っているのを確かめたかのように。襲ってきた者達の悲劇の運命が分かっているかのように。
五分後・・・ジュールからは十分分かりきっていた事だが、族達から予想すらしていなかった結果が目の前に押し付けられていた・・・・・。
致命傷には至らなかったが、ジュールとボスと言われた人物意外全員が倒れていた。
その凶器は、恐らくと言うより、必ずこれだ。
真直ぐな黒紫色(と言えば良い?)の柄をして刃は軽く湾曲しており白銀の色をしている。いや、ところどころ赤い。 返り血だろう。 ジュールの体とほぼ同じ大きさをしており、それは死神が持っていると言われる大鎌に類似、いや、そのものだろう。
「て、てめぇは、いったい?」
「大体分かっていると思うけどね。」
「さっきの技は満月を作りやがったな。まさかお前は!」
―――――月夜の死神――――――
「やはり、お前が異名を持つものだったか・・。」
そう言うと糸が切れたの様にボスは倒れた・・・。
「終わったか・・・。」
そう言うとジュールも倒れた・・・。
異名をもたらした技が発動。
異名と共にもたらした力と悲劇は・・・。