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十夜 《万物ヲ喰ラウ者》の恐怖

 「だぁ!た、たたたた!おりゃあ!!」


 ネールルは相手の右足に、(と言っても、大樹の太さと大きさはある。円周3mはある。)肘と膝で繰り出す接近攻撃にフレイムを加えた攻撃を続けている。


 う〜ん。今一つトドメに欠けているわね。トドメの技を考えないとジリ貧で負けてしまうわ。 私に今できる戦い方を考えないと。今日の天気は快晴。植物を育てるには周りが砂漠で悪環境。現状の火を採用しても、相手の力によりほぼ無意味。…ならば、残された方法はより強力な火炎を与えるか、別の方法で倒すの二つ。


 「グギャァァァ!!!!」


 「五月蝿うるさい! 相手の行動を待つ事を覚えなさい!」


 限り無く傲慢ごうまんな人だ。妖鬼はそんな事を思っている。


 「燃やし尽くしてあげるわ。 骨どころかこの場にいた痕跡ごとね!」


 今の私は相当キレていますからね!人のが何かを考えている時にそれを中断させるなんて!


 この人は、限り無く自己中心的な考えをしているのだろう。一緒にいた少年は可哀想だ。 人を思いやる心があるこの妖鬼はそんな事を考えている。



 「アルティビ!開放!」

 ネールルは杖を高く持ち上げる。天に向けて、かてを奉げるかのように、奉げる代わりに強大な物をもらうかのように。 これは、簡単に言って、




―――――――――契約の儀式―――――――――



 そう見える。 談ナレーター


 はい、ナレーターさんの今回の役目はこれで終了。もう少しくらい!と声が聞こえるが、私視点の時は、私に任せてくれないと!



          ***************




 「なんで、まだ戦おうとするかな?」


 はい。今度は僕、ジュールの視点です。本当の世界からいきなり!?と、声が聞こえますがこのさい無視をします。 (前回から僕達実況と同じになってきている気が…。)


  目の前には立ち上がった妖鬼が数体います。あいつめ、ちゃんと表に出てきた役目を果たせ!


 ……最近僕起こってばかりの気が…。


 「死ねぇ!」


 声を荒げて、僕を囲むように襲ってくる。


 「げっ!一斉に来た!」


 逃げる場所が、前後左右斜めも駄目になったら上しかないでしょ!


 右手に鎌を瞬時に作成、それと同時に軽い跳躍。ちょっとした魔法を使う。


 「重力からの開放グラビティ・ロスト。」


 いつもより一段階音程を低くした声で言う。 そうすると、僕のまわりに青い光が纏わりつき、空中から地面に落とされる速度が遅くなる。 僕の体に掛かる重力が軽くなった。 完全に開放する事はできないけど。


 「ホップ、」


 僕の体の肉を掴み取る! そのモーションを起こしてきた妖鬼の顔を踏み台にして、より高い跳躍をする。


 「スッテプ、」


 ウルフ2がガルルルと唸り声をたてながら、僕の上に跳んでいた。僕の頭一個はある大きな口で、そのまま噛み付こうとしている。


 鎌の柄を噛み付いてきたウルフの口のつっかえ棒に変える。粘々した唾液が右腕に落ちてきたが、噛み付かれていない証拠でもあった。 危機を回避するとすぐに次の行動に僕は移る。


 ウルフと僕の位置を入れ替えると、そのウルフの腹を踏み台にしてより、高く跳躍する。 地とは30mは既に離れている。 ”グラビティ・ロスト”をつかったこそできる芸当だ。


 僕はそのまま残党を確実に仕留められる技、いや、反則の力を使う。


 「ジャンプ!」


 自身がはなつ言葉を合図にして、中にいる自身が目覚める。 しかし目覚めるのはつい先ほどまで自身の体を動かしていた者とは程遠く、意識、感覚等ではない。  絶対的なる恐怖、破壊、殺戮、其の全てを好む正真正銘の死神。  否、好むのでは無い。 それのみが存在理由、そして唯一の行動理由。


 右腕を真下にいる獲物、妖鬼に向け、突き出す。 しかし、それだけでは行動する事は出来ない。 魔力を込めた左手で右腕を掴む。 これは砲台。 放つは《万物ヲ喰ラウ者》。 左手で右腕を掴むことにより標準を的確に定める。 定まった。


 『うおおおおぉぉぉぉ!!!!!」


 自身でありながら自身では無い者の声も混じる。


 『放てっ!」


 右のてのひらが、纏っている青い光を消し去るほどに強く、紅く光る。どこまでも神秘的に光る紅い光。 其の色は、この世界では類を見ることは無い。これからも無いだろう。赤いのではなくどこまでも紅い。 其の光が、幾百、幾千、幾万にも分かれ、閃光のように、そして触手のように地にいる獲物の体を貫通する。


 「な、何だ…?」


 妖鬼達は光に貫かれたままの体を動かせない異常に気づく。体にどんなに力を入れても動かす事は出来ない。無理に動かせばたちまち体は千切れるだろう。


 其の光は妖鬼を貫いた時から実体を持ち、実体が動きを止めている。


 『喰らっちまいな!」


 其の光の先、遥か上空にいる自身が叫ぶと、光がより強く光りだす…! 上空からは大地が紅く光っているかに見える。


 「#%&*@$£‰……!!!!!!」


 今の言葉では表せない絶叫がこの世界に響く。 いかなる拷問より辛き技。


 意識と体を保ちさせながら、内部から破壊をしていく。 この痛みを経験した者がいたとすれば、其の者は既に世界から存在を消されているだろう。




 ………………僕は其の時少し快感を味わっていたかもしれない。  助けるべき生物と誓っていた生物が苦しむさまを見て…。



          ************



 『獄炎葬波・灼熱咆哮アルティビッドフレイム・ブラスト!!!』


 杖から先ほどより、はるかに大きい火炎球を妖鬼に放つ!


 私は結局、今までとは桁違いの火炎を相手に与えることにしました!


 直径3m程の火炎球が直接近づいてくると、尾で払うなんて問題じゃないわよね。ハハハハハハ♪ 周りに陽炎かげろうが見えるわ。ついでに周りの砂や壁まで燃えている!


 (悪魔を超えた悪魔だ…。)


 ん、別の世界から声が聞こえた気がするけど、送ってあげた人の霊が取り付いているのかしら?


 「グギャァァァ!!!!」


 ヤバイ!火だるまと化した妖鬼がこっちに来てるわ! もう一回力を借りましょ♪


 「冥土の土産に私のアルティビの詳細を教えておくわ。自然界の全ての動きを司る事ができる。それが《生命ノ導キ》よ。」


 教えたからもう何も言わさずにこの世界から消し去ってあげる。

 「ハァァァァ―――・・」


 気合を入れて、自分の中にある憎たらしい力を無理やり引き出すイメージを…。


 「ッアア!」


 思い浮かべる!  私の杖からハリケーン級の風が前方に解き放たれる!


 「グギャアアァァァ!!!」


 6mほど吹っ飛んで(壁などの瓦礫も巻き込んで)、いった!それに風の衝撃波で体の肉がところどころ千切れている!


 もう妖鬼はケイレン一つさえしなくなっていた。


 「戦闘不能ね。やっと終った、 フゥ。 これで後はアイツが帰ってくるのを持つだけね。」




 2分後、アイツは自分の世界から帰ってきた。それぞれの戦いを報告し終わると再び今日中にクレイソナ城に着けるように急いだ。

ストーリーは十夜を更新しました。

これまでで一番長かったと思いますが、一日一話ペースだと、どうしてもおろそかになっている部分が少なからずあると思います。

一週間に一話ペースと言いましたが、呼んでくださっている読者様の事を思って、できるだけ早く更新しようと思っています。


 これからドンドンストーリー速度を上げたいのですが、その事で質問があります。


 できるだけ早く更新してほしいか、ある程度時間をかけて、おろそかになっている部分ができるだけ無くなってほしいのか知りたいです。


 早くて、内容もまとまっているのが一番良いとは思っていますが。


 感想でもメッセージでも良いので、送ってくださると感激です。(本編の方もお待ちしております。)



 二つの人格が交わるとき、全ての破壊が巻き起こる

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