第8夜
葬式も終わり、学校に行く日
学校に来て早々僕にはやらなければならないことがある。それは、阿比王の式神報告書を提出しなければならないと言うこと。報告書を書かなければ何かあった時に対処出来ないからだ
「でも僕の式神ってことにしていいのかなぁ?」
「勝手なこと抜かすな」
「阿比王……」
「俺はお前と主従関係じゃねぇ」
「じゃあ、何?」
「お前は俺の………下僕ってところか」
……この子殴っていいかなぁ?
殴っても怒られないよね?
「(あっ、ここどうしよう)」
報告書に書かなくてはいけない所の1つに種族とでていた。この種族の欄には妖怪と書くのではなく、妖怪の中の何の種類かと言うことだ
「(わからなかったら………別に記入しなくてもいいか……)」
時々、先祖代々から受け継がれる式神達がいる。その式神達の種族がわからない人もいるので、わからなければ別にいいらしい
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「これなんだ?」
「消火器だよ」
「その奴は?」
「携帯……」
阿比王はおじいちゃんと暮らしていただけあって、現代の機械類は全然しらないみたいだ。流石に車とかは知っていたが、おじいちゃんは滅多なことが無い限りは徒歩で行っていたらしい
だが、問題はまだ解決していない。それは、阿比王がこの学園の式神相手に喧嘩を吹っ掛けようとすることだ
喧嘩と言う名の戦闘でもあるが………
そして僕は阿比王の主(仮)になってから、阿比王が片っ端から色んな人の式神達と戦っては勝ち、戦っては勝ちとするものだから……
「待てごらぁぁあぁぁああぁぁッ!!」
「今日こそ勝ってやるッ!!」
「阿比王のばかぁぁぁあぁぁぁああぁぁぁぁあぁぁぁ!!」
壮絶な鬼ごっこ擬をしなければならなくなってしまった。
だが、この時の僕はまだ何も知らなかった……
これがまだ、ほんの序章であるということを………