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第37夜


その夜、僕は陰陽師についての教科書を読み漁った。


祖父のコトを何も知らないから暇潰しにはなるだろうと思いながら……


その中身はやはり真言や陰陽師について等ばかり書かれていた。


「(やっぱり陰陽師と言えば安倍晴明だよね……)」


一般的に有名な陰陽師なのでなんとも言えない。そして実技用の教科書の最後に真言だけじゃない陰陽術が書かれていた


その中でも目にとまったのが、氷のアートで出来たみたいに綺麗な氷の花


綺良姫結晶華(きらきけっしょうか)……」


―――――――――――


【綺良姫結晶華】

別名:記憶の結晶化



術者の記憶を結晶の花にして残す術。

発案者は当時10にも満たない時に作ったそうだ。

相当の霊力がない限りはこの術は発動不可能。その為、発案者を含めても5人しか出来ないそうで、5人中3人は歪な結晶になるほど、きちんとしたモノになるまでの習得難易度は無茶苦茶高い。


―――――――――――


………凄い無理なモノじゃない?


ってか発案者10にも満たないって……どんだけスゴいの!?


「何読んでんだ?」


「うっひゃぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁッ!!!」


いきなり背後から声をかけられたので、物凄くビックリした。


「うるせぇ、あんまりうるせぇと息の根ごと声止めるぞ?」


「息の根止める時点で死んでるよねッ!?」


阿比王は本気で僕の息の根を止める気に見えて仕方ない。


「ンで、何見てたんだ?」


「えっと……綺良姫結晶華って術を……」


「綺良姫結晶華?」


「うん、これ……」


綺良姫結晶華のページを見せると阿比王はビックリした様にその写真を見た。


「綺良姫結晶華ね……大層な名前をつけられてんだな……」


「えっ?阿比王はこの術知ってるの!?」


「まぁな……」


阿比王は一体いつ何処で見たのだろう?


阿比王は何も語らない。語らないからこそ、僕は知りたい……










知らなければ何も始まらないから……






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