第35夜
「なぁ、広野江はどうして兄貴達と比べられてたんだ?」
「それは……僕にもわからない……」
生まれた時から何故か僕は比べられていた。
兄さん達二人に比べられているのは僕だけで、兄さん達は昔から比べられること事態なかったそうだ……
僕だけが……比べられて……
「理由なんざ簡単だよ」
「えっ?」
阿比王は理由を知っていた
「ムカつく理由だ」
「それって……」
「どんな理由だったんだい?」
「……その馬鹿タレが、似ていたんだよ」
「似ていた?」
「コイツの祖父にな」
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『父に似ている』
それだけの理由で嫌われていた子。
そんな子を忌み嫌い、心をぐちゃぐちゃに壊したアイツ等。
陽炎を壊した所で何になる?
お前達は一体何をしたいんだ?
陽炎はアイツじゃないンだぞ。
そう言って怒ってもアイツ等には聞こえない。
どうすることも出来ない、哀れな子はついには壊れ、人形となった
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「そんなのって……」
「可笑しいだろ!?広野江がじーさんに似ているからって理由で嫌われるなんてよ!」
確かに両親は祖父を嫌っていた。
奇行をするからだと思っていた。が、阿比王曰は違うそうだ。祖父は、子供の面倒を見ずに妖怪を追いかけてはあっちへふらふら、こっちへふらふらとしていた。
そんな祖父を父さん達は毛嫌いしていたそうだ。祖母も父さん達がまだ成人して間もない頃に亡くなったそうだ。
祖母は祖父の奇行を微笑ましく見守り、父さん達に『あの方は優しい人だから恨んだりしないであげてね』と語りかけていたそうだ




