第25夜
「うわあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁッ!!」
「なっ!?女郎蜘蛛だと!?」
こんな状況下でよく冷静に判断できるよね!
キモくてキモくて怖い!
「フフフ……キズツイタアナタノココロ……アァ~……ワタシガイヤシテアゲマショウ」
「結構です!」
「嫌、広野江……別に返事しなくても……」
反射的に返事を返していたことに僕もビックリした
「アァ……サァ……マイリマショウ…… 」
「えっ……」
女郎蜘蛛が発した最後の言葉。それは聞き間違いかと思うほど小さな声で……
「広野江は下がってろ!」
「あっ、うん!美咲さんや亜矢椿先輩に電話してみるね!」
僕は身体を翻して背を向けると
「ニガシハ シナイ 」
また女郎蜘蛛が何かを発した
「お前の相手は俺だ!オン アビラ ウンキャン シャラクタン」
瀧月君は僕を守る為に真言を唱え始めた。
そして、その間に美咲さんの携帯に電話をかけた
「ナウマク サンマンダ バサラダ センダ マカロシャナ ソワタカ ウンタラタ カンマン」
「ギィヤァアァァァアアァ!!」
瀧月君の真言をくらい苦しみだす女郎蜘蛛
「アァ……ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛コノ クソガキガァァァアァァァアァァァッ!!」
だが、瀧月君の攻撃は右顔面に火傷の様な後をつけただけだった。そして、あまりの痛さに本気でキレた女郎蜘蛛が瀧月君を糸で絡めた。
「あっグッ、カハッ!」
首を糸で絞められている為、瀧月君は息が出来ていない
「お願いだから繋がれ!繋がれよ!」
電話をかけても繋がらない。このままだと瀧月君がっ!
救えぬ悔しさと自分自身に対する怒り、色々なモノが混じっている僕の心。
そんな僕を女郎蜘蛛は見ていた
「カナシイノカ?」
「えっ?」
「(コイツ……広野江に対して……)」
あまりに可笑しなことだ。そもそも、僕を襲いにきた妖怪が僕を心配するなんて……




