#8 俺の幼馴染が熱烈すぎてヤバイっ!
俺には幼馴染がいる...
いや、いたという方が正しい
彼女の名は橘 薫子
彼女は容姿端麗で学力も十分いや、十二分にある
ただそんな完璧に見える彼女にも弱点というか欠点はある
それは恋愛に対して積極的過ぎること...
普通に積極的ならいいんだがな...
とにかく積極的過ぎるのだ...
☆
「はい、今日は転入生を紹介しまぁ~す」
という担任の言葉を聞き、俺はふと思った
あれ?この前俺がこのクラスに来たばっかなのにまたこのクラスに?
「ねぇねぇ、1ヶ月くらい前に公平が来たばっかなのに、また、このクラスっておかしくない?」
「やっぱり、空もそう思ってたか。たしかに変だよなー」
「では、君。入ってきてー」
担任がそう言うと転入生は教室へと入ってきた
「それでは、挨拶をどうぞー」
「はい。どうも、この度転入してきました。橘 薫子です。よろしくお願いします!」
クラスの男子たちは突然現れた美少女転入生に驚き、ざわついている
俺も、ある意味驚いている...なんであいつが...
橘 薫子
彼女は俺の幼馴染にして、俺が、女子への免疫がない理由である
なぜ、彼女が理由であるか
それは、俺と薫子が4歳のときにまで遡る...
☆
俺と薫子は同じ幼稚園へと通っていた
そんなある日、幼稚園の運動場の隅で俺は彼女がいじめっ子たちにいじめられているところに遭遇した
これが運の尽きだった
俺は幼いながらに持っていた良心で彼女をいじめっ子から守ろうとした
俺はケンカなんてしたこともなかったし相手の数が多かったこともあり見事にボコボコにされてしまった
だが、その間に彼女が先生を呼んでくれて、なんとかこの問題は解決した
俺はボコボコにされてしまったので結局俺は彼女を守ることはできなかったと思ったのだが
彼女はそうは思わなかったらしく、俺に感謝してくれた
それからだ。俺が、彼女から猛烈なアピールを受けるようになったのは...
まず、幼稚園へ行くと会うとイキナリ飛びついてくるし
教室の中でもベタベタとくっついてきて周りの奴らに「お嫁さんになる!」なんて宣言までしてしまったものだから、かなりいじられた
それ以降、俺は、女子はみんな彼女みたいに危険で面倒くさいものだと思うようになり
自然と女子を避けるようになってきた
そして、俺が女子に免疫がないことを悩みだしたのは中1の冬のことだ
中学入学から仲良くしていた友達とクリスマスにパーティーをする約束をしていたのだが
そいつに「彼女とデートが入ったから」とパーティー前日にドタキャンされてしまった
俺はそいつに約束を破られた怒りと同時に、彼女がいることを羨ましいと思った
だから俺も彼女を作ろうとした
だが、今まで女子を避けてきた俺は女友達なんている訳もなく、とりあえず好きな人を作ろうと努力した
最初は全然女子を好きになんてなれなかった
なんとか好きになることができたのが中2の夏のことだ
やっと好きな人ができたので、その人に話したりしてアピールしようとした
だが、話しかけることなんてできずそのままグダグダと過ごし結局何もできずに中学を卒業してしまった
そう、原因は全て彼女なのだ!
...いや、俺も決して悪くないわけではないのだが原因は彼女なのだ
でも、別に俺は彼女を嫌っているわけではない
俺に好意を向けてくれるのは嬉しいし、一緒にいて楽しいのだ
だけど、すごくベタベタとくっついてきたり、いきなり結婚する宣言をしたりするところが嫌なんだ...
☆
彼女はクラスの奴らに挨拶を済ますとなにやら言い出した
「えー、まずクラスの男子諸君に言っときます。私はこーちゃんと以外と付き合う気はありません!そして女子の皆さん、こーちゃんは私の物です!誰にも譲りません!」
「...」
クラス全体が静まり返る
あいつ、またやりやがった
俺が頭を抱えていると彼女は補足のように
「ちなみに、こーちゃんとは瀬戸 公平です!公平の”公”でこーちゃんです!」
と言いやがった
「...」
さらに静まり返るクラス
俺は思わず立ち上がった
「おい、薫子!イキナリ変なこと言うな!」
「あ、こーちゃんをハッケーン!会いたかったよー!マイダーリン♡」
「誰がマイダーリンだ!ふざけるな!大体、なんでお前がここにいる!」
「だって、こーちゃんが逃げちゃうんだもん!追いかけてきちゃった!」
「追いかけてくんなよ!せっかく県またいで転入してまで逃げてきたのに!」
「私は、こーちゃんをどこまでも追いかけるつもりだよ!家もこーちゃんの家の隣の空家に引っ越したし!」
「マジかよ!どこまでしつこいんだお前は!」
「どこまでもしつこいよー。私は、こーちゃんがこの愛を受け止めてくれるまで追いかけるもん!」
あぁ、ダメだ...
俺はこいつから逃げられない...
はぁ、また俺の周りに変なのが増えちまった...
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