#4 俺は新入部員がほしいっ!
「よしっ、これで全部貼り終えたね。公平!」
「ああ、そうだな。しかしこんなポスターで誰か入部してくれるのかな?なんか不安になってきた」
「私を信じててよ!きっと来るから!」
「まぁ、信じてはいるけどさ。なんか来そうにないというかなんというか・・・」
「大丈夫だって言ってるでしょ~。もう、変な心配なんてしなくていいんだよ」
「・・・その自信はどこから湧いてくるのやら」
「え?今何か言った?」
「いや、何でもないぞ」
「ま、いいけど。とりあえず私たちから入部希望者を探してみようよ」
「おう、そうだな。で、誰から聞いて回るとか決めてんのか?」
「うん、決めてるよ。んじゃレッツゴー」
こうして俺たち(帰宅部員二名)は放課後、創部条件である部員3人のノルマを達成すべくポスターを貼り、入部希望者がいないか聞いて回ることにした
空の案内によって連れてこられた場所は3年のクラスがある階であった
「おい、いきなり3年生に声かけんのか?」
「うん、そうだよ~。入部してくれそうな先輩がいるんだ~」
「へぇー、そんな先輩がいるのか?」
「うん、いるんだよそれが!理由はたしかこの学園全体から浮いているとか・・・」
「その人、なんか地味で恵まれない顔な気がすると俺の本能が言ってるのだが・・・」
「ま、とりあえず行ってみよう」
そう言って空は歩き出したので俺は後ろをついていった
☆
「さぁ、教室の前に着いたよ!」
「えーっと、3年4組か・・・、いったいどんな人なんだ?」
「えーっとね~、あっ、いたいた。あの一番左の列の一番左の席で本を読んでる人だよ!」
「どれどれ、ってあの人って仙道先輩じゃん!」
「あれ?公平知ってたの?」
「知ってるもなにも仙道先輩って校内美少女ランキング3年連続ダントツ1位ってクラスの奴から聞いたぞ。その時写真も見せてもらったから速攻でわかったよ」
仙道 綾彼女は校内美少女ランキング3年連続ダントツ1位の無敗の女王として男子の中では有名らしい
ただ彼女は美しすぎるため男子は近づきにくく、女子からは彼女の父が世界に名高い仙道グループの社長であり彼女が唯一の娘ってことで近づきにくいらしい
故に学園全体から浮いた存在となってしまったらしい
昨日、転入してきた俺でさえこんなに情報を知っているのだから相当な有名人なのだろう
「よし声をかけに行こう!」
そう言って空はそそくさと行ってしまった
俺は慌ててあとを追った
「あのっ!仙道先輩、ちょっとお願いしていいですか?」
「まぁ、いいけど、あなたたち誰?」
「はい、2年3組 柏木 空です」
「同じく2年3組 瀬戸 公平です」
「へぇー、2年生なんだー。私に声をかけてきたのはこの学園で先生以外では初めてだわ」
一体、あなたはどんな高校生活3年間を過ごしてきたんだ
と心の中でつっこむ俺であった
「ところでお願いって?」
「あの、私たちの部活に入ってほしいんです!」
「部活って?」
「帰宅部といって楽しく雑談したり一緒に下校する部活です」
「なかなか変わった名前の部活ね」
そう言って仙道先輩はクスクスと笑った
「で、それ以外にも何か目的があるんじゃない?」
この先輩鋭い・・・
「まぁ、そうですね。実は公平には女子への免疫がほとんどいので彼に免疫を付けるのが1番の目的です」
「へぇ、君、免疫ないんだぁ~」
そう言って仙道先輩は俺の左頬を優しく撫でてきた
「っ! なっなにするんですか仙道先輩!」
俺は慌てて後ろへと飛び退いた
「ほんとに免疫ないのねぇ~。顔まで赤らめてかわいい~」
ほんとに鼻血が出そうだった
仙道先輩はただでさえ顔立ちがよくボンキュッボンの抜群スタイルな超美人な人なのに
俺はさらに免疫がないときてるから気絶したっておかしくない
「よし決めたわ。公くんがかわいいから入ってあげる」
「あの、公くんってのは俺のことっすか?」
「うん、そうよ。公平だから公くん。嫌とは言わせないわよ。それと二人共私のことは呼び捨てでいいわよ」
「んじゃあ、せめて『さん』くらいは付けさせてください」
「じゃあ、それでいいわ。よろしくね。公くん、空ちゃん」
「はい、よろしくお願いします。綾さん」
「それじゃ、私は創部の申請だしてくるね」
「おう頼んだわ空」
俺の返事を聞くと空は職員室へ走っていった
こうして俺たち帰宅部に
腰まで伸びた黒髪が綺麗で超美人で(ちょっぴりS?)な綾さんが仲間に加わったのであった
更新遅くなってすみません