#3 俺は部活をつくりたいっ!
朝の眩しい日差しがカーテンの隙間から差してきて俺は目を覚ました
まず、俺が目を覚ましたら最初にやること
それは・・・『妹をベッドから排除すること!』
なぜそんなことをする必要があるかというと
俺の妹がブラコンであり毎晩俺のベッドに入り込んでくるからである
というわけで、俺はもうとっくに習慣となっている妹排除作業を始めることにした
「よいしょっと!」
そう言いながら俺は両手で妹を持ち上げてベッドの外へと放り投げた
「いったーーいっ!何するんですかお兄さまっ!夏美はただお兄さまが夜這いしに来てくださらないので自ら来ただけですのに・・・」
「それが問題なんだよ!なんでお前は毎晩毎晩俺のベッドに来るんだよ!」
「そ、それは夏美がお兄さまを心から愛しているからです・・・」
と言って夏美は少し顔を赤くした
「何、顔を赤くしてんだよ!もういいからさっさと下に行くぞ」
「はーい、わかりましたよ・・・全くいっつもこうなんだから・・・」
そう言いながら、ふてくされる妹を無視して俺は一階のリビングへと向かった
俺の朝食は食パンだけだと決まっている
理由は簡単なことだ。”朝はあまり食欲がなく食パンだけで大丈夫”だからである
俺は朝食を食べ終えると着替え、歯磨き、寝癖直しと学校へ行く準備を整えた
そして俺は家を出た
夏美は俺が出る15分ほど前に出ている
俺の通う鳴海学園は中等部が高等部より若干登校時間が早いからだ
俺は普通に歩きながら学園へと向かっていた
すると昨日、空と別れた場所が見えてきた
よーく見ると誰か立っている・・・空だ
空は俺を見つけると手を振りながら近寄ってきた
「おっはよ~!公平!」
「おう、おはよー」
女子とあいさつしたのなんてかなり久しぶり過ぎてなんか新鮮だ
てか既に一人の女子と話せている時点で俺のキャラ設定が崩壊してる気がするが・・・
まぁ、そこはまだ目を見て話せてないから大丈夫だとしよう
「あ、そうだ公平!ちゃんと考えてきたよ~、公平の女子への免疫をつける方法」
「お、そうか。なんか悪いな考えさせて」
「いーよいーよ、気にしないで」
「そうか、サンキューな」
「もう別にお礼なんて言わなくていいよぉ~。ところでさぁ、私の画期的なアイデア聞きたくない?」
「おう、聞いてみたいな。どんなアイデアなんだ?」
すると空は「コホン」と軽く咳払いをして胸を張りながら自慢げに言った
「部活をつくるんだよ!」
「・・・・はい?」
俺は状況を理解できずに聞き返した
「だ~か~ら~、ぶ・か・つをつくるんだよ!」
笑顔で同じ言葉を返してきた空を見ながら、俺はようやく状況を理解した
『部活をつくる』たしかに空はそう言った
つまり自分たちの手で新たに部活を創部するということだ
だが、そんなことが簡単にできるわけが・・・
「それが意外と作れちゃうんだよ公平!」
「な、なんで俺の考えてることがわかった?!・・・エスパーか?」
「だって~、公平ガッツリ声に出しながら考えてたんだもん」
だそうです。一瞬、空がエスパーか?と思ってしまった俺が馬鹿でした
「あ、なるほどね。で、本当に簡単に創部できるのか?」
「うん、ほんとだよ~。うちの学校は部員数が3人いれば部として認めるっていう変なルールがあるんだ~。だから変な部活が多いんだけどね」
「そうなんだ。で、どんな部にするんだ?」
「その言葉を待ってました~。ジャジャーン」
と言いながら空は一枚のポスターを開いた
そこに書いてた内容は
みんな、仲良く雑談をしたり一緒に下校しよう!
帰宅部 部員募集中!
入部希望者は2年3組 柏木 空まで
という内容だった
「えーっと、帰宅部ですか・・・」
「うん、帰宅部だよ!き・た・く部!」
「でも、帰宅部ってのはさすがに・・・」
「えーいいじゃん、帰宅部!楽しそうでしょ?」
「まぁ、別にどんな部活でもいいけど、その部に入ったら俺に免疫がつくのか?」
「うん、つくつく。絶対つくよ!」
「その自信はどこから・・・?」
「うちの学校は女子生徒が圧倒的に多いから女子が入部してくるに決まってるじゃん!」
「まぁ、たしかに女子が入ってくる確率はかなり高いとは思うが、もし誰も来なかったら?」
「気合と努力でなんとか!」
「気合かよ・・・」
「うん、気合だよ!」
「わかった、じゃあ空を信じてみるよ」
「やった~!じゃあ、あと1人を早く見つけてこの部活を承認してもらおう!」
「おう、いっちょ頑張るか」
こうして俺と空は入部希望者を探すことにしたのであった
正直、既に空と自然に話せてる自分が怖い俺であった