#2 俺の妹はブラコン過ぎてひどいっ!
俺は空と別れたあと急いで家へ帰った
家に着いてみると想像してた通り妹が腹をすかして待っていた
「お兄さま、遅いですっ!夏美はこんなにお腹をすかせて待っていたのに・・・」
妹の名前は瀬戸 夏美
中学2年生で俺の通う鳴海学園の中等部へ通っている
中等部と高等部との校舎の距離は少し離れていて登下校時は合うことがない
「あー、すまんすまん。今すぐ冷凍食品温めるから」
「えー、夏美はお兄さまの手料理が食べたいのにー」
「まぁ、そう言うなよ。俺は料理なんて苦手で、できないんだから」
「そうですね・・・夏美はお兄さまと一緒に食べれるだけで幸せですっ!」
「あぁ、そうですか・・・てか冷凍食品ぐらい自分で温めろよ」
「いえ、夏美は大好きなお兄さまが温めたものを食べたいのですっ!お兄さまの温もりを感じながら・・・グフフフ」
「別に俺が温めたって俺の温もりは感じないだろっ!まぁ、さっさと食え」
そう言いながら俺は電子レンジで温めた冷凍食品をテーブルへと置いた
俺の妹、夏美は見ての通りブラコンという部類の人間だ
学校ではブラコンという姿を隠しているらしい
「そういえばお兄さま、今日はなぜ帰りが遅かったのですか?」
「え、まぁなんだっていいだろ」
クラスの女子と話してたなんて到底言えやしない
そんなこと言ってしまったら夏美はブチ切れるに違いない
「こんなに可愛い妹をほっといて女子とイチャイチャしてなんてっ!あんまりですっ!」
ってな感じで・・・
「なんだっていいわけありませんっ!もしかして女ですね?女なのですねっ!転入そうそう女とイチャつくなんてあんまりですっ!しかもこんなに可愛い妹をほってっ!」
完全に女とイチャついてたと決めつけられてしまった
だが、夏美の言ったことの大半が当たっている
女子と話してただけだがそれでもほぼ全てを言い当てられたので完全否定できない・・・
「まぁ、大半は当たってはいるがイチャついてはいない。ただ女子と話してただけだ」
「それでも、女といたのには変わりありませんっ!・・・しょうがないですね今回はチューで許してあげます」
といって夏美は目を閉じて唇を突き出してきた
「ちょっと待て!なぜ俺が妹とキスをしないといけないんだよ!てか、放課後の俺の行動の大半を当てるってお前はエスパーか!」
「あら、私はお兄さまのことは全てお見通しですよ?なんたって夏美はお兄さまで、お兄さまは夏美なのですから」
とかわけわからないことを言い出して夏美は、なぜか顔を赤くしている
まったく、ブラコンが考えることはわからない・・・
「とにかく早く飯食えよ!冷めるからな!」
「あら、私のこと心配してくれるのですか?お優しいですねっ!ところでチューは・・・?」
「正確に言うとお前の食う飯の心配だがな。チューは絶対しないぞ!」
「なるほど、そうやって焦らして夏美を欲情させようという魂胆ですねっ!そういうことなら夏美はもう既に準備はできてますよ?」
「そんなこと考えたことないわっ!」
「え、そうなんですか・・・?で、でも夏美はお兄さまとチューがしたいですっ!」
「断じて拒否するっ!」
そう言うと俺は席を立ちキッチンの流し台に食器を置き二階の自室へと上がった
☆
俺は自室のベッドで横になり今日の出来事を振り返っていた
「俺、久しぶりにちゃんと女子と話せたなー。柏木 空ちゃんか・・・キレイな子だったな~」
なんて呟きながら俺は空が言った「な~んだ、意外と免疫なんてすぐに克服できるかもよ!?」
というセリフが妙に気になっていた
そう簡単に克服できたら苦労はないんだから・・・
さらに、空がどんな手を使って克服させてくれるのか全く検討もつかない
まぁ、彼女のことだから任された以上ちゃんとやってくれるとは思うが・・・
そんなことをいくら考えても答えは出ないので俺は風呂へ行く事にした
☆
俺が風呂場へと行くと、ちょうど妹が風呂から出たところだった
なんと悪いタイミングで俺は来てしまったのだろうか・・・
そんな風に若干後悔していると
「あら、お兄さま私の裸を見に来てくれたのですか?夏美とても嬉しいです!なんなら、お背中を流しましょうか?」
「別にお前の裸を見に来たわけじゃないし、背中も流さなくていい!さっさと、どいてくれよ。狭くて服脱げないから」
「そんなにキッパリと拒絶しなくても・・・まぁ、いいですわ。今回は諦めることにします」
できれば今後もできればそうしてほしいものだ・・・
まぁ、何はともあれ妹が”今回は”すんなり出ていってくれたので助かった
その後、俺が風呂から出るとリビングに妹の姿はなく俺の部屋の隣にあるあいつの部屋へと行ったようだ
今日は転入したり久しぶりに女子と話したりで疲れたので寝ることにした
こうして俺の転入初日は終わりを迎えたのであった