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第六章 反逆の貴族たちと最後の戦い
魔力制御塔の建設が進む中、反乱が起こる。
「カルメン・ドシュタァリンの魔導は神への冒涜だ!」
「彼女を処刑し、魔導を根絶やしにせよ!」
王族すらも私の行動を危険視し始めた。
アルテミウスが私のもとを訪ねてくる。
「カルメン、君のやっていることは国を混乱させる! 今すぐやめるんだ!」
「混乱? アルテミウス殿下、あなたは未来を見てないの?」
「……未来より今が大事だ」
「馬鹿げたことを……じゃあ今あなたの目の前で世界が崩壊しても構わないって言うの!?」
私は魔導通信機を手にし、映像を流した。
──遠くの山岳地帯で空が割れ、魔力の渦が発生している。
「これが兆し、前触れよ。あと三年でこれが王都に達する。あなたの愛するルーネゼさんも、この国も灰になるのよ」
それを見たアルテミウスは言葉を失った。
「……信じられない」
「信じなくてもいい。でも私はこれを止める。誰が敵になろうと私はこの塔を完成させる。それが私の最後の使命よ」