第四章 魔導学院へ──そして、新たな才能の発見
婚約破棄後、私は王宮から距離を置いて魔導学院へ進学した。
魔導とは、この世界の科学と魔法の融合技術。
前世の知識も活かしつつ、私は魔導研究にのめり込む。
「カルメン様、その回路設計は常識を覆しています!」
「ええ、だって電気と魔力の相性って悪いでしょう? だから変換器を挟んで周波数を調整すればいいんじゃなくて?」
「……まるで神の啓示のようです!」
私は魔導機関の設計を革新し、魔動車(前世で言う自動車のような乗り物)や魔導通信機(前世で言う電話のような通信器具)の開発に成功した。
そして学院の図書館でとある古文書を発見する。
表紙にはこう書かれていた。
『古代文明の崩壊と魔力の暴走』
──この世界、実は何度も文明が滅びている。
そしてその原因は、魔力の暴走。
今、またその兆候が見え始めていた。
「……まずいわね。このままじゃ数年以内に世界が崩壊する……」
でも、誰も気づいていない。
王族も貴族も、アルテミウスとルーネゼの恋愛ドラマに夢中。
ヒロインも王太子も未来のことなんて考えていない。
「……仕方ないわね」
私は溜息を吐いてから、机に手をついて立ち上がった。
「私が救うしかないわね」
せっかく転生出来たのに、世界が滅んだら元の子もないじゃない。