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追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第一章 ワールド覇者編

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第98話 リタイア

白く霞んだ空間に足を踏み入れた瞬間――。

 ソウタの目に映ったのは、誰もいなくなった光景だった。


 「……え?」


 さっきまで隣にいたはずのヒカルも、レナも、ナオも、ユウキも、ミナも。

 全員、忽然と姿を消してしまっていた。


 「ちょ、ちょっと待って!? え、え!? なんでオレだけ!?」


 広い空間に、ソウタの慌てふためく声が虚しく反響する。

 ひとり取り残される不安が、じわじわと胸を締めつけていった。


 一分ほどが過ぎたころ――。


 「……あれ?」


 唐突に、光が瞬き、仲間たちが同時に現れた。

 何事もなかったかのように、ヒカル、レナ、ナオ、ユウキ、ミナの姿が揃う。


 「み、みんな!? どこ行ってたんだよっ!」

 「……ちょっとね」ヒカルが淡々と答える。

 「たいしたことじゃないわ」レナもさらりと微笑む。

 「へへっ、まあ、内緒ってやつ」ミナは照れ隠しのように笑い、

 ナオとユウキもどこか視線をそらしてごまかす。


 全員、何かを隠しているのは明らかだった。

 だが、それが「触れても話してもらえなさそう」だという空気が漂っていた。


 ソウタは唇を結んだ。

 ――置いていかれた。

 みんなで、どこかへ行って、自分だけが仲間外れにされた。

 そんな思いが胸をかすめ、少しだけ寂しげな影を落とした。


 一方ミナはこう考えていた。

 (きっと負の感情を持つ人間が、悩みと対峙する展開だったと思うんだけど、

  アタシ、それほどの悩みがないからすぐに戻ってこれた展開だったと思うけど、

  ソウタはずっとここにいたってことは・・・あいつ何も負の感情がないんだわ・・

  ぷぷっソウタらしいっちゃソウタらしいけど!アタシを超える能天気がいた。ププッ)



 全員が戻った瞬間、足元の空間に変化が訪れる。

 石畳が音を立て、階段がせり上がってきたのだ。


 「……次は第9層か」ヒカルが呟く。

 全員が表情を引き締め、階段へと歩み寄る。


 そのとき。


 ――《アナウンス》――


 「タガがリタイアしました」


 「……え?」

 一同の足が止まった。


 ダンジョンの外で観戦していたギャラリーもざわめく。

 常にトップを走っていたはずのタガ。

 だが、第8層で全員が消え、そのまま誰ひとり戻らなかったという。


 何が起きたのか、誰にもわからない。


 続くアナウンスが響く。


 「本来、第9層でルミナスブレイブとタガの直接対決を予定していましたが、タガのリタイアにより――不戦勝として、ルミナスブレイブが第1位到達の権利を得ました」


 「おぉっ!? ついに……!」

 思わず声を上げるソウタ。

 念願、ついに1位――。


 だが、ヒカルは冷静に眉をひそめた。


 「……“到達の権利”。つまり、まだ優勝ってわけじゃないな」


 その予感はすぐに裏付けられる。


 「ダンジョンは、まだ終わっていません。最後までクリアしたギルドの中で、タイムが最も早い者が勝者となります。クリアできなければ――優勝者なしとなります」


 「……なるほどな」ヒカルは薄く笑った。

 「結局、最後のボスを倒せってことか」


 「フッ……お望み通りだ」

 ヒカルの目に、闘志の炎が宿る。


 試練を越えた仲間たちも、それぞれに自信に満ちた表情を浮かべていた。

 心に迷いはない。


 ルミナスブレイブは階段を降りる。

 ――第10層。

 その先に待ち受ける真の敵を知らぬままに。

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