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追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第一章 ワールド覇者編

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第91話 咲の心の行方

ナオは何度も咲へと声を投げかけていた。

「咲さん! あなたはこんな人じゃない! 剣神に操られてるだけ!」


 刃を交えるたび、咲の表情は苦痛に歪む。

ナオの天使の血が、咲を縛る悪魔の力に効いているのだろう。ナオの光が咲の体に残る闇を少しずつ取り払っていく。


「わたしは……戦う……剣神さまのために……」

 機械のように口をつく言葉。しかし瞳の奥で、確かに迷いが揺れている。


 ナオはその一瞬を見逃さなかった。

「思い出して! あの日、笑っていた自分を! 本当は誰かを守りたいって気持ち、あなたにもあるはず!」


 咲の剣先が震え、ナオの肩をかすめただけで止まった。



「……くだらぬ」

 剣神が嗤う。全身から黒い瘴気を吹き上げ、剣気を高める。


「人間の情だの絆だの、何の役に立つ? 弱者が強者に従い、利用され、捨てられる――それが理だ」


 剣神の剣圧が吹き荒れ、石畳が砕け飛ぶ。

 ヒカルはその前に立ちふさがり、歯を食いしばる。


「ふざけるな! 仲間を利用するだけのテメェに、俺たちの夢は踏みにじらせねぇ!」


 二つの剣がぶつかり、閃光が走る。



 ユウキは震える手で杖を握りしめた。

「……なら、僕たちで証明する。師匠の教えてくれた、“共に戦う力”を!」

 氷の陣を展開し、剣神の足元を凍らせる。


 その隙にミナが縛人を完全に絡め取り、地に叩き伏せた。

「アンタの出番はもう終わりだよ!」


 ソウタは爆斗との応援合戦に声を張る。

「ルミナスブレイブは負けねぇ! 心を一つにした力を見せてやれ!」

 爆斗のデバフを押し返し、仲間たちの士気を高める。


 レナは後方で祈りを捧げる。

「……雷よ、仲間を守る光とならん!」

 雷光が走り、否絵炉の魔法を打ち消す。



 ナオは必死に剣を振るいながら、もう一度叫んだ。

「咲さん! あなたは人形じゃない! あなた自身の意思で、剣を振るって!」


 その声に――咲の瞳から涙が一粒こぼれた。


「わ、たし……」

 咲の刀が止まり、ナオに押し返される。

 震える声で、呟くように。

「……わたしは、守りたかった……仲間を……国を……」


 その瞬間、剣神が咆哮する。

「目覚めるなッ!!!」

 黒い瘴気が咲を再び包み込もうと迫る。


 だがナオは彼女の手を強く握り、叫んだ。

「もう大丈夫! あたしたちがいる! 一緒に戦おう!」


 咲の瞳に光が戻った。

「……あたしは……剣神のものじゃない!」


 咲は自ら剣神との絆を断ち切り、黒い瘴気を振り払った。



 剣神は舌打ちし、邪悪な気配をさらに強める。

「ほう……人の意志で悪魔の支配を拒むか。面白い……だが、貴様ら全員、この剣で斬り捨ててやろう!」


 ヒカルが剣を構え直し、仲間たちへ声を飛ばす。

「よし、これで全員そろった! ルミナスブレイブ――反撃開始だ!」


 咲がナオの隣に立ち、涙をぬぐいながら剣を握り直す。

「借りを返すよ、剣神……!」


 ルミナスブレイブと、解放された咲を加えた力。

 ついに剣神との最終決戦が幕を開けた。

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