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追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第一章 ワールド覇者編

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第9話 僧侶の救援 ― レナとの再会と和解

 街門を抜けた瞬間、土煙が上がっているのが見えた。

「ヒカル! あれ……!」

ナオが指をさす。


「ああ、間違いない。商人の馬車だ」

ヒカルは即座に走り出した。


「僕たちも急ぎましょう。手遅れになる前に」


ナオが腰の剣を抜きながら続く。


「ちょっと、走りながら剣抜かないでよ! 危ないでしょ!」

ミナが小走りで追いかけてくる。


 馬車の周囲には十人ほどの盗賊が群がり、護衛の兵士たちは押され気味だった。

この前の人数の三倍以上だ。


「おいおい、数多すぎじゃない?」

ミナが苦笑しながら構える。


「十人程度なら問題ない」

ヒカルが剣を抜き放ち、盗賊の群れへ飛び込んだ。


「い、いつも思うけどさ、無茶しすぎ!」

ナオが慌てて後を追う。


「僕も援護します。挟撃されると厄介ですからね」

ユウキが冷静に詠唱を始めた。


 ヒカルは剣を振るい、三人を一気に弾き飛ばす。だが、すぐに背後から槍が突き出される。


「ヒカル、後ろ!」

ナオが叫ぶが間に合わない。


 槍が迫った瞬間――。


聖光ヒール!」


 まばゆい光が広がり、ヒカルの身体を覆った。

 光に驚いた盗賊が槍の扱いを誤り、槍の刃は皮膚を掠めただけとなり、逆に盗賊が怯む。


「……!?」

ヒカルが振り向くと、そこには見慣れた水色髪の僧侶、レナがいた。


「レナ……!」

ヒカルの目が見開かれる。


「相変わらずね。周りを見ずに突っ込む癖、治ってないじゃない」

レナは杖を構え、冷たい視線をヒカルに投げた。


「な、なんでレナがここに……」

ヒカルは驚く。


「理由は後で! 今は盗賊退治に集中!」

レナは短く言い放ち、回復と補助の魔法を次々と展開した。


「みんな、レナは味方だ。援護してもらう!」

ヒカルが、ナオ、ユウキ、ミナに伝える。


「助かります、レナさん。僕たちだけでは耐久面で不安がありました。」

ユウキが礼を述べる。


「別にあなたたちを助けに来たんじゃないから。……勘違いしないで」

レナはそっぽを向きながら頬を赤らめた。


「レナさんは、ツンデレなのね。」

ミナがニヤニヤと笑う。


「う、うるさい!」

レナはミナを睨みつけた。


 四人とレナの連携で戦況は一気に傾いた。

ナオの剣が敵の注意を引き、ユウキの魔法が足止めをし、ミナが特殊スキルのチェーンで盗賊を縛る。

そして、レナが負傷者を即座に回復し、見事な連携を見せる。


「はああっ!」

ヒカルの剣が最後の盗賊を叩き伏せた。


「ふぅ……なんとか片付いたな」

額の汗を拭うヒカルに、レナが近寄る。


「なんとかじゃないわよ!」

レナが杖でヒカルの胸を小突く。

「あなた、一人で突っ込むから周りが見えなくなるの! 仲間を信じなさい!」


「……その通りだな…すまなかった」

ヒカルは素直に謝った。


ヒカルは、前世の記憶を取り戻してからも、敵に突っ込んでしまう癖が残っていた。

レナとパーティを組んでいたときに、突っ込み癖で攻撃をもらい、レナの回復で命をつないでいた。


今回は、自分自身のそんな失敗をヒカルも自分で認識できたから、素直に謝れた。


「えっ、素直に謝った!?」

ナオが目を丸くする。


「はは、ヒカルさんにしては珍しいですね」

ユウキが微笑んだ。


「な、なによ……。素直なのはいいことだわ」

レナは少しだけ頬を染め、そっぽを向いた。


 商人たちは安堵の表情で駆け寄ってきた。


「命を救っていただき、本当にありがとうございます!」

「ぜひシャトーまで護送をお願いできませんか?」


「護送、ですか……」

ユウキが仲間たちに視線を送る。


「もちろん引き受けるわよ。盗賊に狙われるなら、途中でもっと襲撃があるかもしれないし」

ミナが肩を竦める。


「それなら僧侶が必要になるわね」

ナオがレナを見やる。


「わ、私は別に……あんたたちと組むなんて言ってないし」

レナは口を尖らせる。


「けど、もう助けてもらったし。正直、君がいてくれると助かる」

ヒカルが真っ直ぐに言うと、レナは一瞬目を泳がせ、頬を赤らめた。


「……し、仕方ないわね。あんたが危なっかしいから、見ててやるだけよ」


「やったぁ! 仲間が増えた!」

ナオが飛び跳ねる。


「ふふ、これで僕たちの戦力はより安定しますね」

ユウキが満足げに頷いた。


 護送に応じたあと、商人は、出発前にシャトーについて語ってくれた。


「実はあの街、三大ギルドのひとつが拠点にしているんです」

「三大ギルド!? そんな大きな街だったんだ」

ナオが目を丸くする。


「ええ。冒険者の数も桁違いですよ。だからこそ、そこに物資を届ければ商売が広がるんです」


「なるほど……僕たちにとっても試金石になりますね」

ユウキが丁寧に相槌を打つ。


大きなギルドと知り合いになれば、自分たちが強くなるためのチャンスを得られる。

ヒカルはそう思った。


 馬車がゆっくりと進み出す。


 レナは、ヒカルを横目で見て小さくつぶやいた。

「……やっぱり、あんた……どこか前とは違う。何なのよ、ほんと」


「ん? 何か言ったか?」

ヒカルが聞き返すと、レナは慌てて顔を背けた。


「な、なんでもないわよ!」


「おお〜、ツンデレ炸裂!」

ミナがくすくす笑い、ナオも楽しそうに頷いた。


「……僕たちの旅は、ますます賑やかになりそうですね」

ユウキが穏やかに笑った。


こうして、護送任務の途上でレナは正式に仲間となり、パーティは五人となった。

次なる目的地、シャトー――。

三大ギルドの拠点が待つその街で、さらなる冒険が彼らを待ち受けていた。

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