第82話 ルミナスブレイブ無双の反動
――観衆は、まるで雷が落ちたかのような衝撃に包まれていた。
「おおおおおおおお!!!」
「見たか!? 一瞬で三万体だぞ!」
「ルミナスブレイブ、やばすぎる!!!」
会場中が総立ちとなり、歓声が渦を巻いた。赤々と燃え落ちる火球の雨を見た者は、誰一人として口を閉ざすことができなかった。
「……本当に、十二歳なのか、あの子……」
「レナの支援魔法も異常だし、ソウタの”豪援”とかいう技も何だ……」
「ルミナスブレイブ……一気に大会の主役だ!」
興奮と畏怖が入り混じり、ざわめきは止まらない。
一方、他のギルド。
タガのギルマスター・ダーゲリは、映像を見ながらも、表情一つ変えなかった。
「……なるほど。確かに派手だ。しかし、あれほどの無理をすれば、次の階層には持ち越せん」
淡々と断じるその声には、わずかに冷笑が混じる。
「ルミナスブレイブは、第三階層で燃え尽きた。それだけのことだ」
仲間たちは首を傾げたが、ダーゲリは確信しているようだった。
黒姫の咲は、信じられないといった顔でモニターを見つめる。
「な、何で……!? 三万体を一瞬で……あんなの……!」
だが隣の剣神は、微動だにせず、低く言い切った。
「……終わったな」
「えっ……」咲が振り返る。
「体力と魔力の配分を、あいつらは完全に誤った。見ろ――階段で、もう動けなくなっている」
その言葉は冷酷だが、確かに正鵠を射ていた。
映像が切り替わり、階段の踊り場に腰を下ろすユウキ、レナ、ソウタの姿が映し出される。三人とも肩で息をし、ぐったりと壁に凭れかかっていた。
「ユウキ……大丈夫なのかな……」
チャイが両手を胸に当て、心配そうに声を漏らす。
「レナさん……顔すごく疲れてる……」
チャランが眉を寄せ、不安そうに呟く。
「ソウタさんも……あの“ごうえん”ってやつ……体に悪いんじゃないの……?」
ポランは小さな声で言い、ぎゅっとスカートを握りしめていた。
三人の不安は、そのまま会場全体に伝わっていく。
「でも……!」
チャイは唇をきゅっと結んだ。
「きっと立ち上がる。ルミナスブレイブなら、まだ戦えるよ!」
その声に、チャランとポランも顔を上げる。
「……うん! ユウキなら絶対大丈夫だよ!」
チャランが力強く言い、
「わたしも信じる……。だって、ユウキくんたち、すごかったもん!」
ポランも目を潤ませながら微笑んだ。
三人の小さな声援は、騒然とした会場の片隅で確かな熱を放っていた。
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