第79話 ゴーレム
黒騎士を討ち倒した広間の奥。
地下へと続く階段は、冷気が立ちのぼるほどの暗闇に沈んでいた。
「タガと黒姫、もう二階層に行っちゃったんだよね……」
レナが不安そうに呟く。
「ま、まあまあ! うちらだって負けてないっしょ。ナオちゃん大活躍だったし!」
ミナが笑って見せるが、その目は少しだけ焦りを帯びていた。
「……焦る必要はない」
ヒカルは静かに告げる。
「俺たちには俺たちの戦い方がある。ここで無理して崩れるのが一番まずい」
「そうだよね……」
レナも頷き、表情を引き締める。
「……でも、今の黒姫とタガ……」
ソウタが口を開きかけたとき、ユウキが前に出た。
「比較して不安になるのはやめましょう。僕たちは、僕たちの力を信じて進むべきです」
12歳とは思えない落ち着いた口調に、全員の視線が集まる。
「この大会は、ただの速さを競うものではありません。最後に勝てばいいのですから」
その言葉に、張りつめていた空気がわずかに和らいだ。
「……ユウキくん、ありがと」
レナが小さく微笑む。
「よーしっ! んじゃ行こーぜ!」
ミナが両手を振り回して先導するように歩き出す。
ヒカルはその背中を見て、剣の柄に手を置いた。
(確かに、ナオの神魔覚醒は安定してきてる。ユウキの同時詠唱も、ソウタの即死無効も、ミナの縛りも、レナの攻撃参加も――。前より格段に強い)
(俺たちの戦い方をすれば、必ず勝てる……!)
そう胸の内で誓いながら、一行は第二階層へと足を踏み入れた。
そこは、広大な回廊のような構造だった。
壁際に並ぶのは、無数の石像――かと思った次の瞬間、それらが目を光らせ、石の拳を振り上げる。
「ゴーレム!? しかも……全部動いてる!」
ミナが叫ぶ。
数はざっと五十体。しかも一体ごとの圧力は黒騎士に匹敵する。
正面突破では時間がかかりすぎる。
「ここは……どう突破するかだな」
ヒカルが冷静に構えを取る。
仲間たちがそれぞれ武器を構える。
次なる激戦が始まろうとしていた。
「僕にまかせて!」
ユウキが詠唱を始めると、ユウキの体が神々しく輝きはじめる。
マジックセイムタイム セット500
そういうと、50体のゴーレムの1体につき、10個ずつの火の玉を用意し、
瞬時にぶつける。
「広範囲攻撃は、魔法使いの特権です!」
さらにユウキは、魔法をかける。
「瞬間移動テレポ!」
仲間達全員が下の階層に降りる階段まで瞬時に移動した。
「次、急ぎましょう!」
皆を励まし、あっという間に勝負を決めたユウキを皆頼もしく思っていた。
第3階層に向かう時に、順位を確認したら3位のままだったが、
遅れはあまりとっていないようだった。
ユウキの活躍を見て、ヒカルたちは勇気づけられ、次の階層へ急いだ。
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