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追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第一章 ワールド覇者編

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第78話 魔王城

光が差さない漆黒の空間――。

 ヒカルたちが転送された先は、まるで魔王の居城を思わせる地下要塞だった。

 壁や床は黒曜石のように鈍く光り、等間隔に設置された照明が淡く明滅し、陰影を強調する。

 ただの城ではない。地下深くへと続く、終わりの見えぬ巨大な迷宮だ。


 広大な玄関と一体化した大広間。そこが第一階層の舞台だった。

 奥には地下へと続く階段が見える。だが、その前に立ち塞がる影があった。


「……なんだ、ありゃ……」

 ソウタが目を見開いた。


 黒い鎧をまとった三メートル級の騎士。禍々しい瘴気を纏い、巨大な剣を引きずるようにして現れる。

 それは一体ではなかった。同じ姿が十体、無言のまま周囲を取り囲む。

 いずれも通常ならボス級に数えられる存在だ。


「うそでしょ……最初からコレ?」

 レナが息を呑む。


「これが特別仕様……か」

 ヒカルも眉を寄せ、状況を見極める。


 そのとき、鎧騎士たちが動いた。口のない兜の奥から、瘴気の霧を吹き出す。

 鈍色のガスが広間を覆い、ヒカルたちの身体がじわりと重くなる。


「これ……移動遅延ガス!?」

 ミナが慌てて跳ね退く。

 身体が鉛のように重い。反応速度を奪う、いやらしいデバフ効果だ。


「下の階層に行くほど、もっと強いのが出る……ってことだよね……」

 ユウキが不安げに顔を伏せる。


「後れを取るわけにはいかない。――ナオ、先陣を頼めるか?」

 ヒカルの声が響く。


「うん。ちょうど試してみたい技があるんだ」

 ナオは小さく微笑み、目を閉じた。


 彼女の周囲が、突如として黄金の輝きに包まれる。

「――《天使の波動》」


 その光が波紋のように仲間へ広がると、黒騎士が放った遅延ガスが一瞬で消滅した。

 さらにヒカルたちの身体が軽くなり、力が漲る。攻撃速度と火力が目に見えて高まっていた。


「す、すご……! ナオちゃん、補助スキルもできんの!?」

 ミナが目を丸くする。


 しかし、ナオはそこで止まらなかった。

 静かに剣を掲げ、落ち着いた声で紡ぐ。


「――《悪魔の覇道》」


 黄金の輝きが一転して漆黒の奔流へと変わる。

 剣を振り下ろすその一撃は、広間を揺るがすほどの衝撃波となり、十体の黒騎士を同時に粉砕した。

 鎧は断片となり、瘴気は跡形もなく霧散する。


「……な、なんだ今の……!」

「黒騎士が……一撃で!?」


 仲間たちは呆然とし、ユウキは口をぽかんと開けた。

「もうナオさん一人で優勝しちゃうんじゃ……」


 その戦いぶりは、前回の死闘を経て安定した神魔覚醒の証だった。


 その様子は街の巨大魔法映像版にも映し出され、観衆を熱狂させていた。


「ナオちゃんすげーっ!」

「がんばれー! ルミナスブレイブ!」


 チャイも両手を掲げて応援する。その隣では、ソウタと話していたチャランとポランが、いつの間にかチャイと肩を並べていた。三人はすっかり仲良くなったようで、声を合わせてルミナスブレイブを叫んでいた。


 だが、同じ頃――。


「えっ……もう!?」

 チャイが息を呑む。


 ギルド《タガ》が第一階層を突破していた。彼らは敵を無視して一直線に走り抜けていったはずなのに、何故か背後の黒騎士は瞬く間に消滅していたのだ。

 圧倒的な速度で《タガ》は第2階層へ突入し、先頭を奪った。


 続いて映像に映るのは《黒姫》。

 剣神と呼ばれた侍が、ただ一振り横凪ぎする。

 それだけで十体の黒騎士が同時に倒れ伏した。


 観衆は息を呑んだ。下の階層に降りるときに他ギルドの状況を確認できる。

 魔法映像版があるのだ。そこで、ルミナスブレイブのメンバーも目を見張る。


「……これが、トップギルドの実力か……俺達は出遅れからのスタートだな」

 ヒカルは唇を結ぶ。


 結局、最速で第2階層へ到達したのは、《タガ》が一位、《黒姫》が二位。

 彼らの動きには、一切の無駄がなかった。

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