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追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第一章 ワールド覇者編

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第73話 ランド祭

ランド王国の大通りは、色とりどりの旗と魔導灯で彩られていた。人々の笑い声、屋台から漂う香ばしい匂い、子供たちのはしゃぐ声――まさに王都全体がひとつの大舞台となったかのようだった。


 魔法をテーマにした屋台も多く、中でも人気は「魔法射的」。燃え盛る人形の的に水の魔法を当てて消すという子供向けのゲームだ。ユウキは、子供たちにせがまれて試しに挑戦することになった。


 「全部いっぺんに……やってみるね」


 小さな声でそう呟くと、次の瞬間――十五の的が同時に消し飛んだ。観客からどよめきと歓声が巻き起こり、子供たちが目を輝かせて「すごい!」「もう一回!」と群がる。ユウキは照れくさそうに笑いながらも、嬉しそうに手を振っていた。


 一方その頃、屋台の一角ではナオが頬をいっぱいにふくらませていた。両手に串焼きと甘いパイを持ち、もぐもぐと夢中で食べている。周囲の客たちは、そのあどけなさと豪快さに目を細めていた。


 さらに剣士用の居合切りコーナーでは、ギャラリーの声に押されてナオが参加。藁束を一瞬で斬り伏せたかと思うと、誤って店の柱まで切り裂いてしまった。あたりが静まり返る――。だが、店主の中年剣士はむしろ感嘆の声を上げた。


 「お嬢ちゃん……見事だ! お前みたいなのを見られたら、こっちも本望だよ!」


 その場でナオのファンが一気に増えてしまった。


 祭りを歩いていたソウタは、ルミナスブレイブの名を慕う若者たちに囲まれていた。中でも人目を引いたのは、チャランとポランという双子の少年少女だ。二人とも十二歳で、チャランは土魔法、ポランは水魔法に長けていた。


 「お願いします! ぼくらをルミナスブレイブに入れてください!」


 勢いに押される形で、ソウタは彼らの実演を見ることに。チャランは土を操って立派なソウタの土像を作り上げ、ポランは同じ像を水で再現し、瞬時に凍らせて氷像にした。人だかりから感嘆の声が上がる。


 「……まったく、押しが強いな。だが、その腕前は確かだ」

 「やった!」


 双子は飛び跳ねて喜び、観衆から拍手が巻き起こった。


 その頃レナは、人混みの中で情報収集を続けていた。舞から聞いたブルーシー王国の代表ギルド――「黒姫」。ギルドマスターの名は咲。白姫との因縁を匂わせるその名前に、彼女は胸の奥でざわめきを覚える。


 一方ミナは、母のもとを訪れていた。自分にしかできない力――強制拘束の可能性を探るためだ。母は静かにうなずき、娘に対して厳しくも温かな助言を与える。ミナはその言葉を胸に刻みながら、仲間に追いつくための道を模索していた。


 酒場では、ヒカルが一人グラスを傾けていた。ギルドとしての未来、そして次なる大会――ワールド規模のダンジョンキングオーダー。そこに勝ち残るための戦略を練っていると、酔った客が倒れ込んできた。


 ぶつかった先にいた人物は、落ち着いた態度で倒れた客を介抱する。

 「……あの人、マウントグリーンの代表ギルド『タガ』のギルマスだろ? ダーゲリさんって……秘術を使うとか」


 周囲の囁きに、ヒカルはその男に強い関心を抱く。秘術とは何か――。そこへ偵察を終えたレナが現れ、二人は情報を交わし合った。


 そして夕刻。王城の大広間で祝賀会が始まる。


 控室に集まったルミナスブレイブの面々。互いの顔を見合わせ、自然と笑みがこぼれる。ここまで共に歩んできた仲間たち――彼らの絆は、戦いのたびに強く結ばれていた。


 扉の向こうからは、楽団の調べと人々の拍手が響いてくる。

 「行こうか」ヒカルの言葉に、全員が頷いた。


 今宵、ルミナスブレイブの名が、世界に広まる夜になる――。

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