表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第一章 ワールド覇者編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/506

第61話 レナの修行 ― 光の中で芽生える想い

王都・大神殿。

その奥深く、白銀の封印が施された修練場で、レナの修行は始まった。


師は、白姫の僧侶・早雲。

僧侶であれば誰もが憧れる、治癒と蘇生の神髄を極めた男である。


初日 ― 奇跡の扉は遠く


「蘇生魔法――《奇跡の復活》」


レナは両手を掲げ、魔力を流し込む。

目の前の試練像――模擬戦で倒れた仲間を再現する幻影――に光を注ぐが、反応はない。


「……くっ」

額から汗が滴る。魔力の消耗は激しいのに、対象は蘇らない。


「焦るな、レナ。奇跡は力でねじ伏せるものではない」

早雲は柔らかく諭すが、レナは唇を噛んだ。


「……わたしが……守れなかったら、意味がないのに!」


彼女の胸には、かつて仲間を守れずに失った記憶が重くのしかかっていた。


二日目 ― 魔力の限界


「《MPリサイクル》!」


自らの生命を削り、仲間へ魔力を渡す技。

だがレナの体は悲鳴を上げ、彼女自身が倒れ込んだ。


「はぁ……はぁ……だめ、全然続かない……」


早雲は回復を施しながら首を振る。

「自分を犠牲にするだけでは、仲間を救えぬ。命を削る覚悟と、同じだけの“強い想い”が必要だ」


レナは拳を握りしめ、浮かぶのは仲間の顔。

ユウキの真剣な眼差し、ナオの明るい笑顔、ミナの自由さ、ソウタの大声――そして、ヒカルの背中。


その姿を思い浮かべると、胸が熱くなり、心臓が不規則に跳ねた。


(……わたし、なんでこんなに彼のことを……?)


三日目 ― ヒカルの影


休憩の合間、早雲にぽつりと聞いた。

「早雲さん……ヒカルって、妙にいろんなことを知ってますよね」


「ふむ、そうだな」

早雲は目を細め、静かに続けた。

「まるで、この世界の理を外から覗き込むような……そんな口ぶりをすることがある」


レナははっとした。

「まさか……この世界と、関わりのある別の世界から来た……?」


「断定はできぬ。だが、転生者という存在は昔から伝承にある。

 何度も生まれ変わり、役目を果たす者がいる、と」


ヒカルの後ろ姿を思い浮かべる。

誰よりも冷静で、誰よりも不器用で、それでも仲間を導く背中。


レナの胸に、不可解なざわめきが広がった。

(……だから、惹かれてるの? それとも……もっと別の理由?)


四日目 ― 奇跡の光


再び挑む。

「――《奇跡の復活》!」


これまでと同じ光。だが今度は、心の底から願った。

(お願い……もう二度と、大切な人を失いたくない!)


光が溢れ、試練像が蘇る。

成功。


レナは膝をつき、涙が溢れた。


「やっと……やっと掴めた……!」


早雲が静かに頷く。

「今のお前ならできる。仲間を信じ、自分を信じたからこそだ」


五日目 ― 命を繋ぐ力


最後の修行。

「《MPリサイクル》!」


今度は自身の生命を削りながらも、同時に魔力の循環を意識する。

己の体は限界に近づくが、それを恐れず受け入れた。


仲間の笑顔を思い浮かべながら――。


結果、魔力の流れが安定し、複数人へ同時に供給が成功した。


修行の終わりに


「……やっと……」

レナは膝に手をつき、息を整えた。


「《奇跡の復活》と《MPリサイクル》――両方とも習得、おめでとう」

早雲は優しく微笑む。


レナは汗に濡れた髪を払い、ふと夜空を見上げる。

(……ヒカル。あなたの秘密に触れたい。

 でも、それ以上に――あなたを、守りたい)


胸の奥で芽生えた感情は、彼女自身もまだ正体を掴みきれなかった。

いつも読んでくださり、ありがとうございます。

良ければブックマークと評価をお願いします。励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ