第60話 ソウタの修行 ― 苦難の果てに掴む無効化
王都郊外の荒野に設けられた修練場。
ソウタの前で唸るのは、魔導兵器――必殺技級の魔力砲を模した装置だった。
初日。
「必殺無効ッ!」
ソウタが叫ぶも、光線は止まらず彼の結界を突き破った。
ドンッ――爆風に吹き飛ばされ、砂塵にまみれる。
レナが駆け寄り、治癒の光を注ぐ。
「ソウタ、無理しないで!」
「……悪い。でも俺、諦める気はねえ!」
二度、三度。結果は同じ。
光に呑まれ、地に倒れる。
夜。
焚き火を囲む仲間たち。
ソウタはうつむき、拳を握り締めていた。
「俺……みんなの役に立てると思ったのに……何度やっても失敗だ。」
ミナが隣に座り、そっと肩を叩く。
「大丈夫。私だって、拘束できない敵に何度も跳ね返されたよ。
でも、それでも“掴むまでやる”のが冒険者でしょ?」
ヒカルは火を見つめながら呟いた。
「失敗した回数は、成功への踏み台だ。
――本番で一度でも決めりゃ、それでいい。」
その言葉が、ソウタの胸に刺さる。
二日目。
再挑戦。
ソウタは深く息を吸い、集中する。
「敵の“力”じゃなく、“意志”を感じろ……」
だがまたも失敗。
膝をつき、咳き込みながら地に伏す。
ユウキが手を差し伸べる。
「魔法っていうのは理屈だけじゃない。
想いを重ねなきゃ、本物の奇跡にはならないんだ。」
ソウタは震える手で、その手を取った。
「……俺の想いは……みんなを守ることだ……!」
三日目。
最後の挑戦。
荒野を震わせる魔力砲が、光を放つ。
ソウタは両手を広げ、一歩前に出る。
(怖ぇ……でも、負けられねえ!)
胸の奥から、仲間たちの声が聞こえた気がした。
「――必殺無効ッ!!!」
轟音。
しかし、光線は彼の目前で霧散した。
風も熱も、ただの幻のように消えていく。
沈黙――そして仲間たちの歓声が荒野に響いた。
ヒカルが拳を握る。
「やったな、ソウタ! 今のは偶然じゃねえ、絶対の盾だ!」
レナが涙ぐみながら笑う。
「ソウタ……信じてたよ!」
ソウタはその場に崩れ落ち、涙混じりの笑みを浮かべた。
「……これで……もう誰も……失わせねえ……!」
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