第55話 ダンジョンキングオーダー後日譚 ― 街の余韻
◆街の喧騒
大会が終わったその夜、王都は祭りのような熱気に包まれていた。
通りは酒場の笑い声と歌声で溢れ、露店では子どもたちが「ギルド旗」を模した小旗を振り回している。
「おー! ルミナスブレイブだー!」
「ユウキくん! サインしてー!」
「ミナちゃーん! “いけるっしょ”言ってー!」
控室を出たばかりのルミナスブレイブは、あっという間にファンに囲まれた。
ミナは手を振りながら、いつものドヤ顔で答える。
「アタシらなら、いけるっしょー☆」
観客が爆笑と歓声を上げる。
ナオは恥ずかしそうに頭をかきながらも、差し出された旗にサインを入れていく。
「えへへ……わたしの名前でいいのかな」
レナはため息をつきつつも、少女から花束を差し出され、ふっと優しい笑みを浮かべる。
「……ありがとう。」
ソウタは相変わらず調子よく、女性ファンに囲まれている。
「いやぁ、俺ってば人気者? ……まぁ仕方ないかぁ!」
ユウキは年上のファンに頭を撫でられ、少し顔を赤らめながらも丁寧にお礼を返していた。
ヒカルは、そんな仲間たちを見て小さく笑った。
「……これが、俺が求めた“チームの力”ってやつか」
◆家族との再会
その後、ナオは人ごみの中で二人の影を見つけた。
「……パパ、ママ」
白銀の双剣、リュウとリリカ。伝説の二人が静かに佇んでいた。
リリカが腕を広げる。
「ナオ……よく頑張ったわね」
ナオは抑えきれずに駆け寄り、抱きついた。
「ママ……! わたし、まだまだだけど、いつか絶対追いつくから!」
リュウはナオの頭をぽんと叩き、笑みを浮かべる。
「その言葉で十分だ。俺たちを超えてみろ」
――涙と笑顔の再会。熱くなる瞬間だった。
一方、ミナも母アリスと再会を果たす。
「……アタシ、ちゃんと戦えてたっしょ?」
「ええ、立派だったわ。……あなたはもう、“アリスの娘”じゃなく“ミナ”として胸を張れる」
その言葉に、ミナの目に涙が滲む。
「……ありがと、ママ」
アリスはそっとミナの肩を抱いた。
母から娘へ、伝説から新世代へ――確かなバトンが渡されたのだ。
◆観客との交流
翌日、ルミナスブレイブの面々は街を歩けばどこでも声をかけられた。
「レナさま! あの雷撃、すごかったです!」
「ソウタさん! “必殺技無効”かっこよかった!」
「チャイちゃん! 今日もかわいい!」
チャイは頭の上でちょこんと座り、得意げに鼻を鳴らした。
「チャイ、情報通~! いちばん人気!」
周囲の子どもたちが笑い声を上げる。
ユウキは魔法好きの少年から質問攻めにあい、真剣に答えていた。
「魔法はね、イメージと理論、両方大事なんだよ」
ヒカルは、そんな仲間たちの姿を見て微笑む。
「俺たちの戦いは……誰かを勇気づけるんだな」
◆王城での言葉
最後に、王が再びルミナスブレイブを謁見の間へ呼んだ。
「ルミナスブレイブよ。今回の順位は三位であった。だが、その戦いぶりは多くの民を魅了し、勇気を与えた。そなたらはまさしく――ランドの守護者である」
王の宣言に、仲間たちは胸を張る。
「ランドの守護者」
それは、四大ギルドを超え、国そのものを背負う者たちの称号だった。
街は歓声に満ち、家族は絆を深め、仲間たちは新たな称号を得た。
――だが、物語はまだ始まったばかりだ。
次なる戦い、次なる冒険が、彼らを待ち受けている。
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