第53話 白銀の双剣
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観客席の熱気が一段と高まった。
アナウンスが響く。
「次なる挑戦者――伝説のペアギルド、《白銀の双剣》!」
大歓声のなか、双剣を背負った鋭い眼差しの男・リュウと、白銀の髪を靡かせる気品ある魔導士・リリカが姿を現した。
二人が並び立った瞬間、まるで王と女王が揃ったかのような威圧感に、観客のざわめきが一瞬にして飲み込まれる。
控室から見ていたナオの瞳が震えた。
「……パパ、ママ……」
◆1階 ― 機械兵の大群
開始と同時に、数十体の機械兵が散開。
普通なら時間がかかるフロアだ。
「行くぞ、リリカ」
「ええ、リュウ」
リュウが前に出ると同時に双剣が閃き、機械兵を次々と切り伏せる。
その軌跡を補完するように、リリカの魔法が重なる。
「フリーズ・レイン!」
銀の氷雨が舞い、リュウの剣が空けた隙間にだけ突き刺さる。
剣と魔法のリズムは完璧に噛み合い、機械兵は瞬く間に消し飛んでいった。
「もう……全部片付いてる……!」
ユウキが驚愕の声を上げた。
◆2階 ― 強敵3体+雑魚軍勢
通常なら拘束やストップが必須の階層。
「リリカ!」
「分かってる!」
リリカが炎と氷を重ね掛けし、雑魚を一掃。
リュウは三体の強敵へ突撃する。
「双連閃!」
左手と右手の双剣が尋常でない速さで叩き込み、連撃が蓄積する。
――ゴォン!と重音を響かせ、強敵がスタン状態に陥った。
「すごい……通常攻撃でスタン……!」
レナが思わず立ち上がる。
「……パパとママのコンビネーション……」
ナオは胸を押さえ、瞳を潤ませた。
スタンした敵に、リリカの雷撃が重なり、強敵すら一瞬で消滅した。
◆3階 ― 戦車型ボス
戦車ボスが唸りを上げ、砲撃を構える。
だが二人は、微笑んだまま。
「リュウ」
「ああ」
連撃、スタン、氷結――完全無欠の連携がボスを縛り、
「双斬極光!」
光を纏った双剣と魔法が重なり、爆散。
観客席は大歓声に包まれた。
クリアタイムは――
14分58秒。
「……早ぇ!」
観客席から悲鳴に似た歓声があがる。
2人だけで挑み、しかも僧侶も支援職もいないのに、15分を切る速さ。
内容は圧倒的だった。敵はスタンの連鎖で一度もまともに動けず、まるで“見えない壁”に押し潰されるように倒れていった。
「これが……パパとママの力……」
ナオは控室で、拳を握りしめながらその戦いを見つめていた。
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