表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第一章 ワールド覇者編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/507

第32話 両親

二日目の挑戦が終わった。ナオは、初日よりクリアタイムを短縮することができなかった。


ギルドハウスに戻ったナオは、食堂の椅子にぐったり沈み込みながら机に突っ伏していた。


「はぁぁ……」


向かいに座るヒカルが、にやっと笑って言う。

「おい、ナオ。ため息で机がへこんでるぞ」


「へ、へこんでないよっ!? ……たぶん」

慌てて机をペタペタ押して確認するナオ。天然な反応に場が少し和んだ。


それでも、ナオの気持ちは重い。

「わたし……やっぱりお父さんとお母さんみたいな才能はないのかなぁ」

声が自然と小さくなる。


ユウキが目を丸くして、思いっきり両手を振った。

「そんなことありません! ナオさんが才能ないなんて、ありえません!」


ナオは俯いたまま続ける。

「でもね、今日だってタイムぜんぜん縮められなかったし……。お父さんとお母さんなら、もっとすごい記録出せてるはずでしょ? わたし、やっぱり二人みたいにはなれないんだよ」


場の空気が少ししんとした。ナオは言ったあとに、あっ、やっちゃった……と心の中でつぶやいた。


だが、ヒカルは真剣な表情でナオを見つめる。

「ナオ。お前、たった数日で俺の攻略法を吸収して、一時は5位に入ったんだぞ。あれはセンスがなきゃ無理だ」


「センス……」


「努力だけじゃ届かない領域がある。でもお前は、ちゃんとそこに手を伸ばしてる」


胸がじんわりと熱くなるナオ。けれどまだ少し納得しきれず口を開きかけたとき、ユウキが元気よく手を挙げた。


「はいっ! えっと……僕からもいいですか!」


「お前、先生か」

ヒカルの突っ込みに、ユウキは「ち、ちがいます!」と真っ赤になる。

そのやりとりに、ナオは思わず「えへへ」っと笑った。


ユウキはまっすぐナオを見て言う。

「ナオさんはナオさんです。親と比べる必要なんてありません。僕たちは、ナオさんの強さに何度も助けられてきました。だから、ナオさんはナオさんらしく、自分を高めて楽しめばいいんです」


「……ユウキくん」


「そうだな」ヒカルも頷く。「お前が剣を振るうのは、親のためじゃない。お前自身のためであり、そして今は仲間のためだ」


ナオは目をぱちぱちさせ、そして気づく。

――そうか。わたし、ずっと父さんと母さんの背中を追いかけてたけど、ちょっと違ったんだ。


「わたし……父さんと母さんからセンスをもらえたことに感謝して、それをわたしらしく磨けばいいんだよね。みんなと一緒に強くなって、その強さでみんなに恩返しできるようになれば……。それが、きっと二人にとっても嬉しいことなんだ」


自然と笑顔になるナオ。


「よーし! わたし、明日はもっとやるぞっ!」


「おっ、やる気出たな」ヒカルがにやっと笑う。「じゃあ明日は俺が、朝五時に叩き起こしてやる」


「ひ、ひどいっ! わたし寝坊助なのにー! えへへ……でも、ありがと」


「ふふ、僕も全力で応援します!」


食堂は笑い声に包まれた。落ち込んでいたナオの気持ちは、すっかり晴れていた。


◆三日目へ


その夜、ナオは部屋で大剣を磨きながら窓の外を眺めていた。

王都の夜景がきらきらと光を放つ。


「明日は……わたしらしく戦おう」


胸の奥に、あたたかな決意が宿っていた。

ソロオーダー三日目、最終決戦は、もうすぐだった。

読んでくださり、ありがとうございます。

良ければブックマークと評価をお願いします。励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ