第27話 鉱山都市に訪れた平和
岩の巨体が瓦礫となって崩れ落ちた廃教会。
ルミナスブレイブは息を切らしながらも互いの無事を確かめ合った。
「……勝った、んだよね?」ナオが大剣を支えながらへたり込む。
「えへへ、やっちゃった……って、もう足ガクガクだよぉ」
「当然っしょ! アタシの鎖がバッチリ決まったからね!」ミナがドヤ顔で腰に手を当てる。
「はいはい。はいはい。鎖さまのおかげってことで」レナが肩をすくめながらも笑っていた。
ソウタが両手を広げ、仲間たちを見回す。
「みんな最高だった! ナオちゃんも、ユウキくんも、レナちゃんも! もちろんヒカルもね!」
「俺を最後にするな」ヒカルが小さく笑って剣を収めた。
「……でも、確かに。きっとなんとかなるって、証明できたな」
ユウキも小さく頷いた。
「ええ。僕たちの連携は、必ず答えを導き出せます」
◆都市の歓声
数日後、鉱山都市セントラル。
市民たちが石畳の広場を埋め尽くし、ルミナスブレイブを迎えていた。
「ルミナスブレイブ! ばんざーい!」
「ありがとう! 俺たちの街を救ってくれて!」
子供たちが駆け寄り、ナオの大剣をきらきらした目で見つめる。
「お姉ちゃん、これで魔物をやっつけたの?」
「え? あ、うん! でも重いから真似しちゃダメだよ?」ナオが慌てて苦笑いする。
「アタシの鎖も見たい? ほらっ!」ミナが小さな光の鎖を指先で出すと、子供たちが歓声をあげた。
「すげー! 魔法だ!」
「……調子に乗らないの」レナが額を押さえつつも、どこか優しい目をしていた。
商人たちは、鉱山から掘り出した宝石や加工品を差し出す。
「この街の感謝の気持ちだ。受け取ってくれ」
ソウタが受け取りながら胸を張る。
「こういうのは俺の役目! ありがとう、セントラルのみんな! でも俺たちにとって一番の報酬は――」
「またそれ始まった」ユウキが苦笑い。
「――みんなの笑顔だよ!」ソウタが決めポーズを取ると、街中から拍手と笑いが起きた。
◆夜のひととき
その夜、ギルドハウス代わりに用意された宿の屋上テラス。
湖畔と違い、ここからは鉱山の灯りがきらめいて見える。
ヒカルがグラスを掲げる。
「鉱山都市セントラルに――乾杯だ」
「乾杯!」全員の声が重なり、木杯が打ち鳴らされた。
ナオは肉料理を前に目を輝かせる。
「うわぁ! 鉱山都市のお肉って、こんなに柔らかいんだぁ!」
「ナオ、それ三人前あるんだけど」レナが呆れた顔をする。
「だ、大丈夫! 全部食べちゃう!」
「アタシはスイーツ狙い~! ほら、石炭ケーキだって! 黒いけど美味しいんだって!」ミナが皿を掲げる。
「……名前が不安すぎるんですけど」ユウキが青ざめる。
ソウタは両手に酒瓶を持って回り、皆に注ぎながら言った。
「よく頑張ったよ、俺たち。ランド王国もこれで一安心だな」
ヒカルは杯を口にし、夜空を仰ぐ。
――だが、心の奥ではカイの言葉が燻っている。
「……まだ終わりじゃない。だけど、今はこの時間を噛み締めよう」
◆余韻
翌朝。市場には「ルミナスブレイブ」の名前が躍り、子供たちは彼らを真似て剣や杖の遊びをしていた。
街の人々は笑顔で、石炭を運ぶ鉱夫の掛け声も力強さを取り戻している。
ナオが街を歩きながら小さく呟く。
「みんなの顔、こんなに明るいんだね……」
「当たり前っしょ。アタシらが守ったんだもん」ミナが肩を叩く。
「……悪くない気分ね」レナが微笑み、
「これからも、僕たちなら大丈夫です」ユウキが真剣な顔で言う。
「俺に任せろ! もっと盛り上げてやろうぜ!」ソウタが拳を突き上げる。
ヒカルは仲間を見渡し、確信する。
「きっとなんとかなる。いや、俺たちなら――どんな敵が相手でも」
こうして鉱山都市に平和の余韻が広がり、ルミナスブレイブは人々にとって、確かな希望の象徴となった。
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