第26話 禁忌の魔術師カイ
ヒカル達は、街外れの廃教会に辿り着く。
「どうも皆さん、カイと申します。」
不適な笑みで笑う男がいた。
ヒカルたちは祭壇の前に立ち、黒いフードの集団を睨み据える。
その中心に立つのは、刺青を纏った魔術師――カイ。
「この廃れた教会は、我らが契約の場。今宵はお前たちを供物として迎える」
そう言ってカイが両腕を掲げると、祭壇の魔方陣が妖しく輝いた。
赤黒い霧が立ち昇り、やがて巨躯の獣が姿を現す。
「堕天のガーゴイル」――翼を広げ、岩のような皮膚を持つ魔獣だった。
咆哮一つで、ステンドグラスの残骸が粉々に砕け散る。
◆戦闘開始
「く、くるよ!」ナオが大剣を構える。
「おっきい石像モンスターとか……鉱山都市っぽくて嫌だねぇ」ミナが苦笑い。
「遊んでる暇ないわ。あんなの食らったら即死よ!」レナが警告を飛ばす。
ヒカルが叫ぶ。
「ユウキ、詠唱急げ! ミナ、拘束のタイミングを合わせろ!」
「了解ですっ!」ユウキは両手を広げ、雷撃の詠唱に入る。
「いけるっしょ!」ミナが鎖を走らせ、巨体の翼を縛りつける。
ソウタは皆を鼓舞するように声を張る。
「ナオちゃん! 今が見せ場だよ! ガードお願い!」
「ま、任せてっ!」ナオが大剣で振り下ろされる爪を受け止め、床が軋む。
◆死闘
だが、ガーゴイルの咆哮は即死級の衝撃波を放つ。
ユウキがもろに受けて吹き飛ばされた。
「ユウキ!」
レナがすぐさま駆け寄り、両手を組んで祈る。
「リザクレクション!」
淡い光がユウキの身体を包み込み、少年は目を覚ました。
「す、すみません! でも……次は必ず!」ユウキが立ち上がる。
その間も、ヒカルが斬り込みながら叫ぶ。
「ミナ! 次の拘束は翼を広げた瞬間だ! そこを狙え!」
「はいよっ!」ミナの鎖が閃光のように伸び、ガーゴイルの動きを止める。
「今だ! 一斉攻撃!」
ナオの大剣が岩肌を砕き、ユウキの雷撃が翼を焼く。
ソウタの応援が火力を底上げし、ヒカルが渾身の斬撃を叩き込んだ。
轟音と共に、ガーゴイルは石の残骸と化して崩れ落ちた。
◆カイの逃亡
「……ほう。やるな」
祭壇の奥から、カイの声が響く。
ヒカルたちが構え直すより早く、彼の姿は黒い霧に包まれて揺らぎ――消えた。
残されたのは、祭壇に刻まれた血文字だけ。
《また会おう、勇敢なる者たち。次は我が真の力を以て》
「逃げやがった!」ナオが歯噛みする。
「禁忌魔術師ってやつか……完全に遊ばれてるわね」レナが悔しげに吐き捨てる。
「でも、一旦は……勝ったんだよな」ソウタが皆を見回す。
「そうだ。まずは鉱山都市を守れた。それが一番だ」ヒカルが剣を納めた。
カイには逃げられたが、拠点を潰したことで反社会組織の活動は止まり、
鉱山都市セントラルには平和が戻った。
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