第24話 出発
王城からの正式な依頼を受け、ルミナスブレイブの六人は街へと戻った。
「鉱山都市までの道は長いし、補給と装備の見直しは必須だな」ヒカルが真剣な顔で言う。
「うん! 美味しいものも買い込んじゃおう!」ナオは両手を挙げてはしゃいだ。
◆武具屋
まずは武具屋。
「いらっしゃい! おや、ルミナスブレイブじゃないか!」
店主の親父が目を輝かせる。
「ナオちゃんには、この特製大剣をオススメするぜ。重量はあるが、刃渡りのバランスが最高だ」
「わ、わたしに!? すごい……でも値段が……」
「いいのいいの。平和を守ってくれるんだから、英雄割だ。半額にしとく!」
「えへへ……やっちゃった、英雄割……」とナオは顔を真っ赤にして剣を抱えた。
◆魔道具屋
次は魔道具屋。
「す、すごい! 新作の魔法水晶じゃないですか!」ユウキが瞳を輝かせて、魔法の水晶玉を見る。
「うちの店じゃ滅多に出さない品なんだけどね……ルミナスブレイブなら安心だ。若いの、存分に研究してくれ」
「は、はいっ! 必ず成果を出してみせます!」
その真剣な様子に、レナが小さく笑った。
「ふふ、子供扱いされることも多いけど……やっぱりユウキは立派な仲間ね」
◆道具屋
「よっ! ルミナスブレイブ! 応援してるぜ!」
道具屋では、ソウタが顔馴染みの店主に肩を組まれる。
「お前らのためならポーション十本サービスだ! それと……これも」
差し出されたのは、応援旗。街の子供たちが描いた、ぎこちないが力強い“ルミナスブレイブ”の文字が入っていた。
「やっば、これ泣けるんだけど……。俺に任せろ! この旗は絶対に折らねえ!」ソウタは大声で笑いながら、子供たちを抱き上げてぐるぐる回す。
◆仕立屋
一方、仕立屋ではミナが大はしゃぎしていた。
「アタシの拘束鎖、もっと目立つようにラメ加工とかできない?」
ミナの拘束はスキルであり、敵を縛るときは、能力の光る鎖で縛るが、
物理の鎖も使う。これはこれで近接などの先頭で便利なのだ。
また、鎖の扱いもうまくなる。
「ラメ……? いや、強度が落ちると危険だぞ」職人が眉をひそめる。
「でも可愛いの大事っしょ!」
「……し、仕方ないな。見栄えと強度の両立に挑戦してみるか」
「いけるっしょ!」ミナは満面の笑みを浮かべる。
◆街の人々
最後に街を歩けば、道行く人々が声をかけてくる。
「ルミナスブレイブ! 次も頼んだぞ!」
「街を救ってくれてありがとう!」
子供たちは「ヒカルお兄ちゃん!」「ナオお姉ちゃん!」と走り寄ってきて、ぎゅっと抱きついた。
「……なんか、すげえな」ヒカルは苦笑する。
「何がだ?」ソウタが肩を叩いた。
「いや……俺たちがこんなふうに人から頼られるなんて、想像してなかった。きっとなんとかなるって、ほんとに思えるな」
仲間たちは笑顔でうなずき合う。
こうして、たくさんの祝福と応援を受け、ルミナスブレイブは鉱山都市への旅立ちに備えるのであった。
◆鉱山都市への道中
街を出て数日。道は山道へと変わり、空気は少しひんやりと澄んでいた。
「うわぁ、空気がおいしい! なんか、ご飯三倍はいけちゃいそう!」ナオが両手を広げて深呼吸する。
「三倍はいらん。食料の計算が狂う」レナが即座にツッコミを入れる。
「えへへ!」
◆峠道の魔物
その時、岩陰から魔物が飛び出した。灰色の毛並みを持つ、牙の鋭いロックウルフの群れだ。
「来るぞ、陣形を整えろ!」ヒカルが前に出る。
「任せろ! ナオちゃん防御お願い〜!」ナオが大剣を振りかざし、群れを正面から受け止めた。
「はぁぁっ!」
剣と牙がぶつかり、火花が散る。
「ロックウルフは動きが速いです! 足を止めないと!」ユウキが叫ぶ。
「アタシに任せな!」ミナが両手を広げると、青白い鎖が地面から伸び、狼の足を絡め取った。
「いけるっしょ!」
「ナイスだ、ミナ!」ヒカルが剣で押し返し、一気に押し返す。
しかし、群れの中に1匹だけ特に大きな個体が残り、ナオに飛びかかろうとした瞬間――
「ぎゃあっ!」
「ナオ!」ヒカルが振り返ると、空から小さなドラゴンが舞い降り、尾でその狼を蹴り飛ばした。
「……なに、この子!?」ナオが驚き、思わず後ずさる。
「わ、わたしが守るっ!」ドラゴンは小さな羽で必死にバランスを取りながら、残りの狼たちを吹き飛ばしていく。
「ちっちゃいくせに、やるじゃん!」ソウタが歓声を上げる。
「アタシ、この子推そうかなっ」ミナも笑顔で手を振る。
あっという間に残った狼たちは撤退。小さなドラゴンは火花のように光る瞳で一行を見上げる。
「……名前はあるのかな?」ユウキが慎重に近づく。
「どうやら、道中で迷っていたみたいだな」ヒカルが観察。
「うんうん、俺に任せろ! 名前は『チャイ』だ!」ソウタが即決。
「チャイ……ふむ、覚えやすいわね」レナも少し笑みを見せる。
◆夜営のひとコマ
その夜、チャイも焚き火の横で丸まって眠る。
「ふふ、かわいいな。けど、戦闘は任せられるのか?」ヒカルが呟く。
「チャイも戦力になりそう!小さいけどドラゴンだからパワーが強かった」ミナがうれしそうに頷く。
「……火のブレスもあるみたいですし、多少の戦力補正にはなるかもですね」ユウキが魔導書を開きつつ分析する。
翌日、道を進むと、崩れた橋に差し掛かる。ナオが足を滑らせた瞬間、チャイが飛びかかり、ミナの鎖と合わせてナオを支えた。
「えへへ……やっちゃった、助かった〜」ナオが笑顔で振り返る。
「気を付けな~」ミナも安心した様子。
こうして、小さなドラゴン「チャイ」と共に、ルミナスブレイブは鉱山都市の門前に辿り着いた。
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