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追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第二章 悪魔討伐編

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第199話 民の救出

◆民の救出チーム ― 地下牢の悲鳴


 湿った空気が肌にまとわりつく。

 地下水道から分岐した細い通路を、ヴァネッサたちは慎重に進んでいた。

 壁は崩れかけ、天井から滴る水が鉄の床に落ちるたび、冷たい音が響く。


「……ここが、地下牢へ続く通路です」

 レジスタンスの一人が囁く。

 松明の光がゆらめき、暗闇の奥に、古びた鉄格子が幾重にも見えた。


 近づくと、錆びついた牢の中に人影があった。

 やせ細り、衣服はぼろぼろ。呻きと泣き声が、闇の奥からかすかに聞こえる。


 ヴァネッサは剣を抜き、ひとつの錠を見つめた。

「……これ以上、苦しませるわけにはいかない。」

 静かに構え、振り下ろす。

 乾いた音とともに錠が断たれ、鉄格子が軋んで開いた。


「お、おお……王女様……!? 本当に……生きて……」

 弱々しい声。老人が震える手を伸ばす。


 ヴァネッサはその手を握り、力強く言った。

「立ってください。まだ終わっていません。

 ――必ず、あなたたちを外へ連れ戻します。」


 チャイが駆け寄り、両手を掲げる。

「大地の息吹よ、人々を癒したまえ!ドラゴンヒール!」

 淡い光が灯り、囚われた人々の傷がゆっくりと癒えていく。

「大丈夫、もう怖くないわ。息をして、しっかり生きて。」

 チャイは人知れず、同じドラゴンであるバレンから密かに龍術の訓練を受けていたのだ。


 ヴァネッサは、龍術を目の当たりにして感動する。

「チャイ…すごいわ。」


 小さなチャイが喜ぶ。

「ヴァネッサ、ありがとう!」


 レジスタンスたちは次々と牢を開け、弱った民を背負い始めた。

 だが――その時。


 奥の通路から、重い金属音が響いた。

 闇の奥から現れたのは、黒い翼を持つ兵士たち――“黒翼の兵”。

 その瞳は血のように赤く、鋭い槍を構えている。


「敵襲っ!」


 チャイが瞬時に詠唱を始めた。

「聖なる光を守りたまえ!《聖盾結界》――!」

 光の壁が前方に展開し、飛来する黒槍を弾き返す。


 レジスタンスたちが剣を抜き、反撃に転じた。

 狭い通路で火花が散る。


 ヴァネッサは後方の民をかばいながら剣を振る。

「この国を、再び闇に沈ませはしない!」

 彼女の瞳に、ふと兄の面影が浮かぶ。

 かつて、優しく微笑んでくれたその姿――今は悪魔に奪われた。


(兄上……必ず、あの悪魔を討ちます。あなたの誇りを、取り戻すために――)


 ヴァネッサの剣が、ひときわ強く光を放った。


◆黒翼の軍団制圧チーム ― 炎と翼の激突


 そのころ、城下の避難区画。

 崩れた街並みの中で、“黒翼の軍団”が住民たちを追い詰めていた。

 黒き翼が夜風を裂き、赤い眼が闇の中で光る。


 そこへ――風を切るように、三つの影が現れる。


「見つけた……!」

 リディアが駆け出し、風の力を両手に集める。龍術だ。

 次の瞬間、疾風が走り抜け、上空を飛ぶ黒翼の兵が吹き飛ばされた。


「いいぞリディア、もう一歩前だ!」

 シドが叫びながら突進する。

 魔法の巨剣を振り下ろし、地上の敵を一気に薙ぎ払う。


「とんでもないおじい様だこと…」

 シドの快進撃を見ながら、リディアがつぶやく。


 クロエはヒカルたちとの特訓で身に着けた黄金の力による

 ステータス補完で、力をスピードを強化し、体術と剣術で黒翼の軍団と戦う。


 八方から囲まれても、光の壁を瞬間的に出し、自動防御を行う。

 そして、蹴り、剣による凪払いで相手を消し飛ばす。


 あっという間に、敵を粉砕していく。倒れた魔物は黒い霧と化して消えていく。

「ここの魔物は、リーサルが出現させた仮想的な魔物ね。だったら、遠慮なくいくわ。」


 クロエはそういうと、別の方向から押し寄せる大群を見ると、そちらの方向に向かって、

 指鉄砲を構える。そして、深く集中した。スキル"サーチ"で民間人がいないことを確認。

 魔物の数はざっと100体。


 その様子を見たリディアが以前、クロエが仮想銃を使ったことを思い出す。

 出力1の最弱パワーでも、相手を10メートルほど吹っ飛ばした威力だ。

 今回、力の制御を覚えたことで、威力はとんでもないことになるだろうと

 唾を飲みこみながら、様子を見守った。


 クロエの全身が黄金に輝き始めると、その直後、一瞬、背中に黄金の翼らしきものが出現。

 すぐに消えた。


 同時に、クロエの指に光の大玉がエネルギーとしてたまっていく。

 「仮想銃 出力100」


 「100!?」

 リディアが慌てる。


 次の瞬間、クロエの指から大きな光が前方に放たれる。

 辺りが閃光で一瞬白くなる。


 ピカッと光った後で、その光は、一瞬で進行方向の敵の大群を消し去るとともに、

 ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!と大きな音を立てた。


 これには、城の中にいたヒカルや、ヴァネッサたちにも聞こえ、

 一体何が?と状況を伺うも、仲間を信じ、自分たちの作戦を進める。


「な…なんじゃ…」

 その場にいたシドは、驚きのあまり開いた口がふさがらない状態になっていた。

「わしの魔法の巨剣がかすむわい…」


 リディアはクロエのところに駆け寄る。

「一旦、目に見える黒翼の軍は消し飛んだわね…クロエ大丈夫!?」

 力を使いすぎたのか、クロエは、倒れそうになっていた。


「ヴァネッサの話だと、少なくとも五百って言ってたから、あと三百ぐらいは居るわね…」

 クロエは、まだやる気だ。


 その時――耳の奥で、誰かの声が響いた。


『……君の力、また強くなったね。』


「っ!? この声……レオン?」

 クロエが目を見開く。


『今はまだ、観ているだけさ。君が、どこまで行けるのかをね。』


「あなた……どこにいるの!」

 しかし返事はない。


「クロエ! 集中して!」

 リディアの声が飛ぶ。


新たな黒翼の軍が迫ってきたのだ。


 クロエは息を整え、顔を上げた。

「……うん、大丈夫! 私負けない!」


 再びクロエは体を黄金の闘気で燃やす。

 リディアは風の力で竜巻のように黒翼の軍を呑み込んでいく。

 シドは魔法で応戦する。


 光と影が入り乱れ、戦場はまるで地獄のようだった。


 だがその中で、確かに――希望の光が、ひと筋、夜空を裂いていた。

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